第二章:殺意の蹂躙
「……はい」
一度だけ絵夢へ視線を向けてから、日向は素直に近くの椅子へ座り込む。
(……何だろう?)
まるで何か言いたそうなその様子に絵夢は引っかかるものを感じた。
しかし、自分の勘違いという可能性もあるし、こちらから話を促すべき内容なのかもわからなかったためあえて口は開かずにおいた。
あらためて室内を見回すが、何か変化が起きる様子もない。
不安を含んだ重苦しい空気が充満し、息苦しさを感じてきそうになるだけだ。
(ここから、どんな展開になるのかな)
壁に掛けられた時計が刻む音を聞きながら、絵夢は足元に目をやる。
犯人がすぐに捕まるのなら、それで良い。
だが、万が一それが不可能となったとき、状況は悪化してしまうのではないか。
この建物にまだ犯人が潜んでいるとすれば、当然の如く警察から逃れようとしていることだろう。
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