第二章:殺意の蹂躙
「それじゃあ、あれはいったい何に使う鍵だったんでしょうか?」
「現時点ではわかりません。ただ……、もう一つ不審な点がありまして」
「何です?」
「光野さんの両手足を拘束していた手錠の鍵が、どこにも見当たらないんです」
「手錠の鍵が?」
眉根を寄せる絵夢に、霧洲は僅かに頷く。
「昨日リハーサルで使用して、その後スタッフが所定の場所へ片付けたと説明をされたんですが……」
「無くなっていたのですか?」
訊ねたのは、七見だった。
「いえ、どう説明すれば良いのかな。……とりあえず結論から言いますと、あのステージ上に落ちていた鍵。あの鍵と本物の鍵がすり替えられていた可能性が極めて高いというのが我々の見解です」
霧洲はそこで一度言葉を止め一同を見回した。
真剣な様子で話を聞く七見と影宮。
話される内容に不安な表情を浮かべる日向。
うつむいたまま顔を上げない天寺と、二人寄り添うように座り込む羽舞と神川。
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