第二章:殺意の蹂躙

「それから、そちらは影宮 香菜さんと言いまして、羽舞さんの友人の方です」


 そう言ってから、絵夢は今日バスの中で影宮と出会ってからの経緯を一通り説明した。


「なるほど。だいたいのことはわかりました。もう少ししたら、個別にお話を伺わせてもらいますのでそのとき改めて聞かせていただきましょう」


 そこで霧洲は、絵夢に向けていた視線を七見へと移す。


「ところで、雨池さんの話では殺害された二人と一緒に草本という人も昼食を共にしていたそうですが、その方はどちらに?」


「草本くん……? そういえば見てないな。まさか、この騒ぎに気づいていないなんてことはないだろうし……。ちょっと、連絡を取ってみましょうか?」


「お願いします」


 霧洲の返事を聞いて、七見は携帯を取り出し操作する。


 絵夢が草本と別れたのはこの控え室だ。

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