第二章:殺意の蹂躙

        【4】


 的場の遺体を見た後、絵夢が七見と共に控え室に戻ると部屋の中は重い空気に包まれていた。


 光野の無惨な死を目撃した天寺は、鏡台の前に座り小刻みに身体を震わせながらじっと床を見つめており、的場の遺体を発見したという神川と羽舞は寄り添うようにしてテーブルの近くに座り込んでいた。


 唯一何も見ていない日向だけが、どうしたら良いのかわからない様子で一人立ち尽くしていて、七見が戻ると安堵したように表情を緩めた。


 状況がわからないメンバー達へ七見が一通りの説明をして聞かせ、後から影宮と一緒に部屋に来た嶺垣には絵夢から状況を説明した。


 それからしばらくの間は誰も口を開くことなく時間が流れ、十四時二十分を過ぎた頃だったろうか、スタッフから警察が到着したと連絡を告げられる。

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