第二章:殺意の蹂躙

「的場さんというのは?」


「光野さんのマネージャーです。今後のスケジュール調整が忙しいからと控え室で仕事をしてたはずなんですが……」


 最後は震える羽舞をちらりと見ながら、霧洲の問いに答える七見。


「……その控え室まで案内してもらえませんか?」


「は、はい。……こちらです」


 頷くと、七見は羽舞を促して舞台袖へと歩きだす。


 遺体のある場所に一人取り残されるのも気が引けるため、絵夢も霧洲の後に続くように七見を追う。


 目についた女性スタッフに羽舞を預け、七見は通路を進む。


「あそこの、一番奥にある部屋が的場さん達の控え室になっています」


 建物一階の一番端。何人かのスタッフが部屋の入り口付近に立ち尽くしている。


 そこを指さしながら七見は振り向く。

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