第二章:殺意の蹂躙
絵夢の指摘に、霧洲は眉をひそめながら光野の足首を見つめる。
「可能性はあるな……。うっかりこの鍵を落っことして、そのまま木箱の中に入ったのか?」
その独り言のような呟きに、絵夢も胸中で同意する。
ショーの最中、ステージの床はライトの関係でお世辞にも見えやすい状態ではなかった。
それに加えてあの大音量だ。
こんな小さな鍵一つ落としたくらいでは到底気がつかないだろう。
「こりゃ、悲惨な事故ってことで片がつきそうだな」
遺体を突き刺す剣山を不快な表情で見つめながら、霧洲は立ち上がる。
剣山の針は十二本。そのほとんどが光野を貫き赤く染まっていた。
「あの、刑事さん。会場へ来ていたお客さんはどうしたら良いでしょうか? やはり帰してしまっては問題があるんですか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます