第二章:殺意の蹂躙

 早速、予測していた質問がきた。


 日向に誘われて舞台裏を見学していたところから説明すべきなのか。


(どのみち、全部話す羽目にはなるんだろうな)


 ここで下手に説明をはしょれば、後々何故話さなかったのかと詰問されるのが簡単に想像できる。


 ならば、なるべく早い段階で自分の立場を理解してもらった方が煩わしい思いをしなくて済むだろう。


 そう結論を下し、絵夢は今日これまでの経緯をなるべく簡潔に説明した。


「……つまり、一応ライヴの関係者とは顔見知りってことですか」


 一通り話を聞いて、霧洲は小さく何度か頷いた。


 それから、おもむろに光野の遺体へと歩きだす。


「誰も触ったりはしていませんね?」


 遺体を示して霧洲が言うと、七見が自信無さげに首肯した。

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