第二章:殺意の蹂躙
「ライヴが終わったら試しに聞いてみたら良いじゃないですか。案外何か教えてくれるかもしれませんよ?」
そんなうまい話はないだろう。
そう思いながら、絵夢は肩を竦めてステージに意識を戻した。
アシスタントと光野が、手慣れた動きで次のマジックの準備を始めている。
なにやら手術台のようなテーブルに、やたらと大きな紙袋が乗せられていた。
その紙袋の中に、アシスタントの一人が入る。
それを確認するなり、別のアシスタントが紙袋の上辺を塞いで完全に中の男を閉じ込めた状態にしてしまう。
今度は一体どうするつもりなのか。
次に光野が手にしたのは、刀身が八十センチはあろうかという刀だった。
一度その鈍く光沢を放つ刀身に指を這わせ身体をしならせる。
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