第二章:殺意の蹂躙

        【1】


 絵夢と嶺垣が会場入りしたときには、既にほとんどの席が埋まっているような状態だった。


 女性アイドルのライヴということで男性ファンが大半だろうと勝手な想像を膨らませていたのだが、会場全体をぐるりと見回してみると意外にそうでもないと気付く。


 確かに一番多いのは男性ファンの姿だが、カップルで来ている客もあちらこちらに見受けられるし、女性だけの団体も少なくはない。


 ただ、そういった客全体に共通するのはほぼ全員が二十代前半以下の若者だと認識できることか。


 無論、ぱっと見た感じの印象だけで判断しているので実年齢を確認したわけではないが。


(五百人くらいは集まってるのかな)


 もっと沢山集まるものかと思ったが、そうでもなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る