第一章:殺意の萌芽
(いよいよ、か)
ちらりと、私は時計を見た。
午後十二時三十分。
いずれ、この耳に届く歓声は恐怖に歪む悲鳴へと変わる。
いきなりの惨劇に混乱する会場を想像して、私は一人口元を歪めた。
“レイニーの歌声も待ち遠しいとは思いますが、まずはあの有名なマジシャン、光野 雫さんによります驚異のマジックショーからお楽しみください!”
進行役が淡々と司会を進めていく。
目を閉じて、誰にも分からないように一度だけ深呼吸をした。
「うまくやらないと……」
いよいよ、惨劇の舞台が始まるのだから。
ぼそりと呟いて、私は静かに目を開けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます