第一章:殺意の萌芽
【5】
「…………」
自分が思っていた以上に、自分は緊張していない。
いくら覚悟を決めていたとはいえ、いざ人を殺すとなれば手が震えるくらいの恐怖は沸き上がってくるものと思っていたのだが。
直前に迫ったライヴイベントに色めき立つ周囲を適当に眺めながら、私は今後のことを考える。
(一番の問題は、警察がどう動くのか)
正直、私は過去に犯罪など犯した経験はない。
自分のとる行動にどう警察が対応してくるのか。
そこが読みきれない。
(既にやるだけのことはやったし、後戻りももうできない)
後はもう、計画通りにあいつら全員を殺すだけ。
その過程で私の犯行がばれてしまっては何の意味もなくなってしまうのだ。
そうなれば当然、愛美の無念も晴らせずに終わる。
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