第一章:殺意の萌芽
「まだこちらにいらしたんですか? そろそろ客席へ移動しないと光野さんのショーが始まってしまいますよ」
つかつかと絵夢たちの方へと歩み寄りながら、七見が告げてくる。
本番も差し迫っているせいか、さすがに迷惑そうな雰囲気がその口調から伝わってきた。
「すみません、本番前に一言お礼の挨拶をしなければと思っていたら長々と居座ってしまいました」
ここまで絵夢たちの――特に嶺垣の――我が儘を聞いてもらっておきながら、さらに相手側を不快にさせるのは気が引ける。
絵夢は素直に頭を下げて礼を言うと、そっと嶺垣の背中を叩いた。
「さぁ、僕たちはもう失礼しよう。これ以上はみんなの邪魔になるだけだよ」
「はい、わかりました」
さすがの嶺垣もここは素直に頷く。
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