第一章:殺意の萌芽

「へぇ……」


 天寺が格闘ゲームの筐体を操作する姿を想像してみる。


(何となく、違和感はなさそうな気がする)


 逆にそういった場所が似合いそうなタイプではないだろうか。


「でも、人気アイドルがゲームセンターなんか行ったら大騒ぎになりませんか?」


「あー……、確かにたま~にばれるときはあるみたいですねぇ。一応、帽子やサングラスをかけて変装はしているんで、そんなに頻繁にばれたりはしないみたいですけど」


 苦笑気味に日向は答える。


 ただ普通に外出するにも、いちいち人目を気にしなければならない。


 有名になればなるほど、大変な部分も増えていくのだろう。


(有名になるっていうのも良いことばかりじゃないんだな)

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