第一章:殺意の萌芽
「あ、それ良いですね。もっといろんな話聞きたいし」
草本の提案に、真っ先に反応したのは嶺垣だった。
「そうね、私も構わないわ。早めに済ませておけば後が楽だし。的場さんもどう?」
「ああ、せっかくだから一緒に行くよ」
真面目な表情で、的場が頷く。
「影宮さんは?」
草本に呼ばれて、側の椅子に座りながらみんなの話を聞いていた影宮が小さく頷く。
「はい、ご迷惑じゃなければ」
「絵夢さんはどうします? 無理に誘うつもりはないですけど」
「もちろん、行きますよ」
こんな場所に一人残されても困るだけだ。
それに、まともな食事にありつけるかもしれないチャンスをみすみす逃すつもりはない。
(最近は菓子パンやおにぎりが多かったからなぁ)
思い返してみても、ファミレス等に入った記憶はここ数ヶ月全くない。
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