第一章:殺意の萌芽
「凄いんですか?」
なんとなく絵夢が訊ねると、草本は得意気に笑ってみせた。
「まぁ、なんというか見ていてインパクトが強い手品ですよ。光野さんが小さいダンボールみたいな箱に入って真上に吊り上げられるんですけどね、その下には――」
「草本さん、その先は言わないで。実際に見ていただいた時の楽しみを半減させてしまうわ」
そっと自分の口元に人差し指を添えて、光野は草本の言葉を遮る。
「これは失礼。確かに、ここで教えたら面白くないか」
そう言って、大げさに肩を竦めた草本はちらりと自分の腕時計を確認する。
「どうですか、もし良かったらみんなで軽く食事でも。後々切羽詰まってからじゃまともに食べてる暇なくなるかもしれないし」
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