第一章:殺意の萌芽
その選ばれていた客というのは、俗に言うさくらなのではないのか。
嶺垣の漠然とした話から、絵夢はそんな想像をしてみる。
マジックとはいえ、ナイフが刺さるかもしれないような状況に、毎回そう都合良く協力する一般人がいるとは思えない。
「今は別の、もうちょっと凄い手品を披露しているから、そんなにがっかりしなくても大丈夫よ。助手さんもきっと楽しめると思うわ」
そう言って微笑む光野の笑顔はどこかぎこちなく見えた。
「あ、それってあの小さい箱に入って落ちるやつですか?」
既に見たことがあるのか、草本が光野の言葉に反応する。
「ええ、そうです。ご存知なのね?」
「いやぁ、前に一度だけ見たことがあるんで。あれは面白かったなぁ」
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