　ちらりと絵夢を見た日向が、同情でもするような表情をみせる。

「え？　あ、絵夢さんごめんなさい。冴えないなんて、言わなくても分かることですもんね」

　わざとらしく口元に手をやりながら、嶺垣は絵夢の顔を覗き込む。

「嶺垣さん、それ全然フォローになってないじゃん」

　ケラケラと笑いながら天寺が突っ込みを入れると、草本も興味深そうに嶺垣へ視線を送る。

「なかなか面白い人だね。ひょっとして、お二人は恋人同士？」

「いやいやいやいや、違いますよ。あたしはただの助手です。一般的にいう、仕事仲間ですよ」

　全力で首を横にる嶺垣。

「へぇ。でも、見た感じ歳も近そうだし、付き合ってたとしても違和感ないと思うけどな」

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