第一章:殺意の萌芽
「ま、まぁ……、そういうわけだから、見学は良いけどあまりあちこちいじくりまわさないように気をつけて下さいね。自分はまだいろいろとやることがあるので、ひとまずこれで失礼します」
小さく頭を下げ、七見は踵を返し歩きだした。
しかし、何かを思い出したように足を止めて振り返ると、レイニーメンバーを指差して
「あと三十分くらいしたらもう一度ライヴのリハーサルするから、時間厳守で集合するように。それまでにちゃんと衣装とか用意しておかないと駄目だから、その辺はしっかり頼むよ」
と言った。
「はい、わかりました。三十分後にステージに集合しておきます」
それに答えたのは、日向の後ろに立つ女性。
既にライヴ用の衣装に着替え、肩口まで伸ばした髪も綺麗に整えられている。
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