第一章:殺意の萌芽

 羽舞というのは確かレイニーメンバーの一人だった気がする。


 嶺垣から半ば無理矢理読まされた雑誌に、彼女たちメンバー四人の簡単なプロフィールが掲載されていたのでなんとか覚えている。


「すっごーい! あの羽舞はま優衣ゆいの友達だなんて、羨ましいなー!」


 隣で話を聞いていた嶺垣が驚嘆の声をあげる。


「いえ、そんな……。優衣とはたまたま幼なじみっていうだけで、特別自慢できるようなことはないですよ」


 オーバーなリアクションをする嶺垣に苦笑しながら、影宮と呼ばれた女性が言った。


 それから、改めて絵夢の方を向くとまた小さく会釈をしてみせると、

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る