第一章:殺意の萌芽

「はじめまして、雨池探偵事務所の雨池 絵夢です」


 仕方がないので、一応挨拶をしておく。


「日向 鈴水です。今日はあたしたちのライヴを観に来てくれてありがとうございます」


 実はよく分からないまま暇潰しに来ただけだとは、素直に言えない。


 絵夢は曖昧に頷いておくことにした。


「そちらの方は、スタッフの方ですか?」


 せっかくだと思い、絵夢は薔薇を持つ女性について話をふってみる。


「あ、違います。影宮さんは羽舞さんの友達なんです。いつもライヴとかをやる時は会場に来てくれるんですよぉ」


 嬉しそうに笑って、日向はそう答えた。

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