プロローグ
「そのライヴ、良かったら一緒に行ってみませんか?」
「え? 僕が?」
「そうですよ。他に誰かいますか?」
言ってから、嶺垣は室内を見回した。
万が一、本当に他に誰かがいたなら間違いなく驚くだろう。
「う~ん、僕と行くよりも誰か他の友達を誘った方が良いんじゃない? なんなら、二、三日まとめて休みあげようか? どうせ仕事の予定なんてないし」
「サラッと悲しいこと言いましたね。連休は魅力的ですけど、せっかくの機会なんだし、絵夢さんも行くべきですよ。少しは若者らしくならないと」
「いや、若者らしくの意味が分からないけど……」
「細かいことは気にしないでください。ほら、このライヴを観れば絵夢さんにもレイニーの良さが分かるかもしれないじゃないですか」
「良さねぇ……」
あからさまに渋るような表情でしばらくチケットを眺めていた絵夢だが、やがて仕方がないといった感じで頷いた。
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