特別編入生


前回、アイランドパトロール本部に向かってる途中に怪しい2人組に後をつけられ、アイランドパトロール本部に到着したので2人組と対峙しようとしたらそれは朱音と梓だった。

その後、色々な報告を受けて最後に朱音と梓から学園に入学することを伝えられる。


「私たちはそれぞれ特別編入生として学園に入ります。」

特別編入生とは病気や家庭の事情などで試験が出来なかった場合、特別編入生と言う形で入学することが出来る。


「なるほど 分かった。とりあえず、アイランドパトロール本部にテロリストたちを引き渡して本部長に会わないといけないから一緒に行くぞ。」


「はい!! 本部長に会うのは初めてだな。」

アイランドパトロール本部内に入ると慌ただしく隊員たちが捜査を行っていた。


「どうしたんだ?」


「どうしたんでしょうね。」


「そこの君たち… 潤くん 潤くーん」

めちゃくちゃ取り乱した女の人が走ってくる。

走ってくる女性はアイランドパトロール本部長のシャルロッテ・バレンタイン最高元帥である。


「本部長 廊下は走らないでください!!」

本部長首席秘書官兼本部長室室長のエレルード中将が注意したが聞く耳を持たない本部長はそのまま走ってきて抱きついた。


「久しぶり 本部長」


「久しぶりだね。てか、大きくなったね。」


「本部長 抱きついたまま話さないでください。いい大人がみっともないですよ。」


「へー だって久しぶりに会えたんだもん。」


「だってもへったくれもありませんよ。そこの女の子二人も驚いて声が出てないじゃないですか。」


「あれ? その子達は誰?」


「この2人はマギサズ統括本部副本部長と軍務局長だよ。一応僕が本部長を務めてる。」


「あれー? いつの間にか本部長になってるし流石、潤くんだね。」


「は は 初めまして 朱音と言います。こちらは梓って言います。よろしくお願いします。」


「2人ともよろしくね。こんな所で立ち話もあれだし本部長室に行こうね。」


「本部長室の鍵を持って先に行きます。」

本部長に近づいて耳元てささやいた。


「テロリストたちを全員死亡させた犯人がいるかもしれないので先に様子を見てきます。万が一何かあればその時は…」


「分かった。ここ子達は絶対に巻き込まないように他の隊員たちを動かす。」


「では、後ほど」

そう言って首席秘書官兼本部長室室長は歩くスピードを速めて本部長室に向かっていった。

潤たちはゆっくりと歩いていき、本部長室に着く手前のところで首席秘書官が再び現れ、一緒に中へと入った。


「お好きな場所に座ってください。」


「結構、広い部屋ですね。流石、アイランドパトロール本部長室ですね。」


「まぁね。私、一応ここの最高責任者だしアイランドパトロールの最高総司令官だしね。」


「元々、最高総司令官の職は自治政府首相である僕のおじいちゃんが務めるはずだったんだけど各国の亡命政府から権力集中の懸念から反対されて結局、アイランドパトロール本部長が務めることになったんだよね。」


「へー そんなことがあったんですね。」


「しょうがないよ。旧支配国家からすれば脅威に感じると思うからね。アメリカや中国、ロシアなどの一部先進国は特にね。で? こんなこと話しに来たんじゃないんでしょ?」


「うん、テロリストたちを捕らえてきたよ。学園に侵入してきた奴ら」


「どういうこと?」

経緯を説明し、テロリストたちに罠を仕掛けて捕まえたことやヨーロッパでの異変等について報告した。


「なるほど それは厄介なことになったね。」


「うん、アルファ ベータが発見されたことはアメリカ亡命政府にも情報が伝わってると考えるべきだね。」


「そうなれば忌まわしき過去を消し去るために動く可能性があるか… 分かった。アイランドパトロール本部としてはこの件について見過ごす訳にはいかないし、それにそのテロリストたちの仲間が全滅させれた件についても調査しよう。」


「テロリストたちが全滅したんですか?」


「はい、我々との銃撃戦で一進一退の攻防によって膠着状態が続き、しばらくして音が聞こえなくなったため我々が突入した時にはもう既に全員死亡していました。」


「なるほど 相当な実力者が一瞬で片付けたかあるいは発覚を恐れたアメリカ亡命政府などが工作員を送ったかのどちらかだろうね。」


「その線で調査して場合によっては内務省と外交省とも連携しなければならないだろうしね。」


「分かった。伝えておくよ。」


「じゃあ、僕たちは学園に戻るから」


「ばいばい」

潤たちはアイランドパトロール本部から学園に戻っていった。

学園に戻ると天照大御神様と夏姫が出迎えてくれた。


「ただいま 」


「おかえりなさい 潤くん」


「お久しぶりです。夏姫さん」


「あれ? 朱音ちゃんと梓ちゃん??」


「あぁ、特別編入生としてこの学園に入ることになったそうだ。おばあちゃん伝えてなかったのか?」


「へー この子達がマギサズ統括本部副本部長の子かー 可愛らしいじゃない。」


「そうか? 普通だと思うけどな…」

朱音と梓は明らかにしょぼーんっとしていた。


「全く お前ら2人とも可愛いぞぉ?」

頭を優しくポンポンして玄関へと向かう。潤はめちゃくちゃ顔が赤くなっていたのであった。

特別編入生として入った朱音と梓は瞬く間にクラスとも馴染み 仲がいい友達も出来た。


「本部長ー 」

そう呼びながら走ってくる朱音


「その呼び方はやめろよ。ここは本部じゃねぇんだから」


「えー だってこの呼び方が呼びやすいんだもん。」


「しょうがねぇな。今日は特別だぞ。」


「やったー!!」

大喜びで抱きついていく朱音は潤にあしらわれた。

なんというか付き合いたてのカップルに見えなくもない行動ではあったが潤は他の子達に見せないほどツンツンしていた。


「抱きつくなよな。」


「いいじゃないですか。一緒にお風呂はいった仲なんだし」


「いつの話だよ。何十年も前の話を持ち出すなよな。誤解が生まれる。」


「えー 事実じゃないですか?」


「そうだったな。朱音と梓、妹の優奈と優陽の5人で入ったな。」


「懐かしいですね。あの時の本部長はとてつもなく優しい笑顔をしていたのに」


「今はどうなんだよ。まぁ、昔と今じゃ変わったところもあるかもしれないな。」

過去に何があったのか ヨーロッパの異変 各国の亡命政府による陰謀などが交差していく。

次回、台湾の悲劇

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