模擬戦と学園防衛戦


テロリストたちが学園占拠の準備を着実に進める中、潤たちは初めての授業を受けることになった。


「おはようございます。今日からマギサズとしての基礎とディザードとの戦い方などについてやっていきます。今日はとりあえず模擬戦をやってそれぞれの実力を見ていきますのでグランドに集合してください。では、解散」

女の子は教室で潤はトイレで体操服に着替えてそれぞれグランドに向かった。

グランドには1年生全員が集まっていた。


「では、1年生全クラス合同の模擬戦をやっていきます。まずは、班わけをして1グループ作ってください。」


「はーい。」


「それでは分かれてください。」

生徒が1グループに分かれ終わり、潤は堂林悠里と西口円、山田優、四ノ宮美月、|佐竹爓(さたけひかり)の4人と1グループになった。


「よろしくね。みんな」


「よろしく。潤くん 模擬戦って初めてやるからワクワクする。」


「そうだね。悠里ちゃん」


「潤くんは模擬戦とかやったことあるの?」


「あるよ。アイランドパトロール隊員は対人戦の訓練でやるよ。」


「へー 凄いね。」


「まぁこんな大勢でやることは無いんだけどな。」


「確かに 全クラスでやるとは思わなかった。」


「まぁ、模擬戦なんてすぐ終わるから良いんだけどね。」

潤たちが模擬戦の準備をしてる最中、テロリストたちは学園に侵入するため動き始めていた。


「予定通りに進んでいる。1年生の全クラスがグランドにいるから邪魔されずに動けるはずだ。」


「学園内にいるアイランドパトロール隊員たちは大慌てで本部に向かうはずだしな。」


「こちらアルファチーム もう少し時間が…か…る… 」

びーっという音が聞こえ、通信が途絶えた。


「くそ 通信妨害か… 」


「どうする? 向こうの動きが分からないことにはこっちも動けない。」


「とりあえず予定時間の10時に侵入を開始 30分間 占拠し、アイランドパトロール本部の方に向かうぞ。」


「了解!!」

テロリストたちは勢い良く突入していった。

模擬戦の音で周りには突入した時の音が聞こえておらず、なんなく入ることが出来たのである。


「警備が来ないか バレていないようだな。」


「グランドで模擬戦をやっているそうだからな。予定通り 学園長室と警備室を制圧する。かかれ」


「おーー!!」

テロリストたちは二手に分かれて学園長室と警備室に向かっていく途中で誰一人遭遇する事も無く到着してしまった。


「どういうことだ。誰にも遭遇することも無いなんてありえん…」


「そんなはずはない… ここは…本当に学園内なのか…?」

テロリストたちは周りを探索することにした。

しかし、探索しても人っ子一人もおらず、人がいた痕跡もなかったのである。

何故ならば、魔法によって作られた偽の学園内だからだ。

確かにテロリストたちは本物の学園内に入っている。だが、潤が仕掛けた探知魔法によって侵入がバレていて、本物の学園内を歩いている内に潤によって作られた偽の学園内に誘導されていた。


「ここは何も無い。いや ここ全てに何も無い。そんなことが有り得るはずがない…」


「とすれば バレていた可能性が高い。」


「何故だ? 我々の動きは完璧なはずだし、そもそも模擬戦をやっていたはずでは…」


「ともかくだ。ここから抜け出す方法を考える。」

魔法によって作られた偽の学園内に閉じ込められているテロリストたちはそれぞれの知識のもとで脱出を試みることにした。

一方でその様子を見ていた学園の生徒や先生たちは高度な空間魔法に驚きを隠せないでいた。


「僕が作ったあの世界は何をやったとしてもあの空間からはこちらからじゃないと壊せないようになってるよ。」


「あの…空間は…?」


「ん? あぁ、あの空間は僕が作った模擬戦の世界を少し改造したものだよ。」


「えっ!? 」


「元々、模擬戦っていうのはグランドとかやるもんじゃないよ。下手すれば死者が出かねないし、一般人を巻き込む恐れがあるからね。基本的に模擬戦をやる世界を作っておくのが常識なんだよ。」


「そういうものなんだね。でも、学園はなぜ、グランドでやろうと?」


「多分、アイランドパトロールからテロリストたちが侵入することが伝えられていたからグランドに集めることでテロに巻き込まれなくすると共に僕が作った空間に誘導しやすくしたんだろうね。」


「なるほどね。あの人たちはどうなるの?」


「アイランドパトロールに引き渡して終わりかな? 本部に行かないといけないからね。」


「本部に用事があるって言ってたもんね。」


「その前に本部内にも侵入してるテロリストたちをお掃除しないといけないかな。」


「本部の幹部兵クラスがもうやってるはずだよね。」


「やってるね。十中八九、銃撃戦になってるだろうし魔力は有限じゃないからね。どうなるかは分からない。」


「なるほど どうするわけ?」


「銃撃戦なら介入はしにくいけどやれないことは無いから。」


「じゃあね。」

潤はアイランドパトロール本部に向かっていった。

すれ違いに天照大御神様が学園へとやって来た。


「潤くーん 潤くーん あれ?どこに行った?」


「お久しぶりです。天照大御神様」


「やぁー!! 夏姫ちゃん 潤くん見なかった?」


「アイランドパトロール本部に向かいましたよ。」


「ありゃ、すれ違っちゃったか…」


「何か用があったんですか?」


「うん、アイランドパトロール本部内にいたテロリストたちは全員死亡したという報告をしにね。」


「えっ!?」

次回、模擬戦の回想

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