学園防衛


前回、天照大御神様を呼び戻すため先に部屋へと戻った潤は日本本土にいる天照大御神様に連絡をとっていた。


「久しぶり」


「久しぶり 元気にしていた?」


「うん、元気にしてるよ。潤くんがいないと暇だから色々と調査していたけど… その話ではなさそうだね。」


「察しの通り、戻ってきて欲しいんだけど。」


「どうしたの?」

潤はイスラム過激派系の組織が独立を要求したことやそれを拒否したことそして独立テロを起こしてることなどを伝えた。


「なるほどね。それはおかしい たとえ独立したとしてもディザードと対抗出来る戦力がいなければ国としては存続出来るはずがないし、無謀過ぎる。」


「多分、独立が目的では無いと思う。他に目的があるとすればなんだろうな?」


「ともかく、イスラム過激派系の組織が動いてるってということは意図を引いてる奴らがいる。危険な組織だと潤くんの能力を使って世界をコントロールしようとするかもしれない。」


「旧インドから独立したカシミール・イスラム共和国政府大統領が死んでから独立テロが起こったことからそれが関係してるのは間違いない。」


「私が自治政府とアイランドパトロール本部に伝えておく。もし、何かあれば能力を使って すぐに八名島に戻るから」


「了解 じゃあね。」

天照大御神様との通信を切ってベットに倒れ込んだ。


「さて、敵はどう動くかだな。目的が他にあるとしてどうやって動いてくるか予測してみるか。」

1つ目の予想

八名島自治政府を制圧する。

現実的であり、不可能に近い

アイランドパトロールの警戒が強い島の周りや中心部で武力蜂起を起こせば制圧する前に壊滅する。

2つ目の予想

独立戦争を起こす。

これは領土がないため、独立戦争を起こしても意味が無い。

3目の予想

学園で立てこもりを行い、何らかの目的を果たすまで時間稼ぎをする。

これがいちばん現実的にして目的を悟られないようにカモフラージュしやすい。

また、政治的 軍事的 宗教的 色々な側面から影響を受けやすいため、どこかの国が支援してる可能性が高い。


「3個予想をたてたけどそう行動してくるとも限らないしな。どうするかな?」

潤は考えながらもベットで寝てしまった。

一方、天照大御神様はアイランドパトロール本部に向かっていた。


「潤くんから聞いた話からすると八名島自治政府に恨みを持つ国が支援してる可能性が高いな。アメリカ、ロシア、中国あたりか」

アメリカ、ロシア、中国などの先進国や一部発展途上国は八名島自治政府議会に議席を持っているが自分たちの意見がすんなりと通る訳もなく自治政府首脳陣との対立がよく見られたからだ。


「特にアメリカは八名島自治政府の主導権を欲しがっていたから余計に怪しいし、それに台湾の悲劇の裏で色々と工作をしていたのは知っている。もしかすると… あれを壊したいのか…」

天照大御神様は何かに気づき、アイランドパトロール本部に急いだ。


アメリカ合衆国亡命政府の会議にて

「我々が動いてることはもう既に自治政府とアイランドパトロールにはバレているようだな。」


「あぁ、だが事は問題なく進んでいるようだ。あいつらは操りやすい。」


「それにあの件についての情報もこの世から消せる。これで我々が選挙戦に介入し自治政府の主導権を奪えば、アメリカ本土を取り返すことが出来るだろう。」


「安易な考え方だがやってみる価値はあるだろう。バレたとしてもあいつらの責任を押し付けて知らん顔をすればいいからな。」


「これで世界は我々の都合がいい風に出来る。」


「では、解散としよう。優雅なひと時を」

アメリカ合衆国亡命政府とは別に自分たちの思惑を果たすために動いてる国もあった。


「アメリカめ… 我らを先おいて主導権を握ろうと計画するとは… 抜け目が無いヤツらめ。」


「アメリカ合衆国亡命政府と自治政府が共倒れになるよう仕向けることにしようではないか。」


「ロシアも我らに便乗して来るはずだ。」


「それで行こう。特殊工作員を放ち、アメリカ側と自治政府側を引っ掻き回せ。」


「了解致しました。」

各国はそれぞれの思惑通りに動き始めた。

そして、イスラム過激派系の組織もとある目的のために学園で立てこもりを図る。


「アイランドパトロールは1日に1回 隊員が交代する時間がある。その時を狙って本部内と学園内に同時侵入を試みる。」


「同時侵入するのか。」


「あぁ、学園内では少し暴れ騒ぎを起こしたら撤退し、こちらに合流する。」


「了解!! 流石に女の子だけど魔法を使われたら勝てないからな。」


「それに更屋敷潤がいるからな。無茶をすれば壊滅の恐れもある。慎重に事を進める。」

リーダー格の男の電話が鳴り、出て何かを話していた。


「あぁ、分かった。」


「誰からの電話だ?」


「アメリカ合衆国亡命政府高官であり、我々のパトロンを務めているアルフレッド大統領補佐官からの電話だった。」


「それで内容は?」


「アイランドパトロールの隊員が交代する時間が早まったそうだ。どうやら完全にこちら側の動きが読まれている。」


「ちっ… で? 何時になった?」


「12時だったのが10時に変更され、隊員数もかなり増えてる可能性がある。もし、このまま突入すれば返り討ちされるだろう。先に学園を占拠した後でアイランドパトロール本部内から隊員が居なくなったのを見計らって侵入する。」


「予定は少し狂ったが結果的にはアイランドパトロール本部に侵入出来ればいいわけだからな。」


「あぁ、そうだな。明日、決行だ。」

テロリストたちは計画を変更しながらも着実に事を進めていた。

その頃、アイランドパトロール本部と自治政府には情報が伝えられ、テロリストたちの目的やアメリカ合衆国亡命政府の思惑などを予想し、学園及び学院の警備体制の強化、アイランドパトロール本部に駐在している隊員数を増やすなどした。


「お久しぶりですな。天照大御神様」


「お久しぶりです。元気にしていて何より」


「今回の件 報告ありがとうございます。」


「いえ、潤くんから聞いた話を伝えたまでですよ。」


「私は潤に何もしてあげらなかった。だから、こそ 学園に入ってもらうことで普通の学園生活を少しでも味わってもらいたかったのですが、よりによってこうなるとは…」


「各国の思惑は意図せずとして動き始めますからね。それに台湾の悲劇が関連してるとなるとアメリカも中国も知られたくない事実がありますからね。」


「どうか 潤をお守りしてください。」


「うん、それが|紘(こう)との約束だから」

天照大御神様の決意は固まった潤が楽しい普通の学園生活を送れるように学園を守り、各国の思惑を挫けさせるための学園防衛戦を行うと

そのためには他の神々との協力が必要だと判断し、各国の神様らが集めることした。

そして、計画実行当日を迎えた。

次回、目的とは

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