入試
おばあちゃんと合流した潤は、車で学園に向かっていた。
「学園まではどれぐらいかかる?」
「10分ぐらいで着くわよ。」
「割と近いんだね。」
「それにしてもどうしてこの島に来て欲しいと言われて来たの?」
「それは 最近、日本本土での活動が一段落ついたからだよ。それに何年ぶりかに妹やおばあちゃんに会えるからね。」
「それは良かったわ。ところで、天照大御神様はディザードについて何か分かりましたでしょうか?」
「調べてみたところ、ディザードはこの世界のどの生物たちとも遺伝子情報は一致しないから対応のしようがないわね。」
「そうですか…我々、DROの研究所や各支部の研究班も調査活動をしていますが結果は芳しくありません。」
「まぁ、難しく考えたらダメだよ。ゆっくりと解決していけばいいさ。」
「そうだね。もうすぐ学園に着くわよ。」
車の窓から見えた学園は思ったよりも大きく、高い建物も多くあった。
おばあちゃんは、裏門に車を停めると理事長室まで急ぎ早に走っていった。
「あらら おばあちゃんに置いてかれちゃったね。どうしようか?」
「ここで待ってるのも暇だし、この辺をウロウロしてみる?」
「それはいいけど大丈夫なの?」
「大丈夫なんじゃない? 」
「秘書さん、この学園を案内して貰えませんか? 」
「えぇ、それは構いませんよ。行きましょうか。」
秘書さんと一緒に学園へと入っていき、教室や体育館、実戦訓練室などを周り最後に理事長室に着いた。
「いやー 凄い 色々な教室があって施設も大きいし流石、おばあちゃんだね。」
「私もここまで大きいとは思わなかったなー。でも、潤くんが入ったら色々と課題があるんでは?」
「はい、それはもう既に対応済みで寮は新設済み、男子トイレも設置済みでございます。」
「流石、おばあちゃんだね。」
「それなら問題は無いわね。私は一度日本本土に戻るね。」
「あっ… ちょっと…」
天照大御神は、日本本土に戻っていった。
僕は一人で理事長室に入り、入試を受けることになった。
入試の内容は、筆記試験の国語、数学、英語、生物、歴史でそれぞれ100点満点の5教科と実技試験であった。
筆記試験は言うまでもなくあっさりと終わってしまったため、実技試験を受けるために室内から室外に移動した。
「早速、体力測定を行います。やる種目は1500m走や反復横跳び、握力測定などを行うっと…なるほど これをやればいいんだ。」
各種種目をこなしていき、終わりかけに体育担当の教師である|犬養美空(いぬかいみそら)先生と名乗る女性がやってきて、魔法力の測定と属性魔法の適性を調べることになった。
「初めまして、体育担当の教師をしてます犬養美空と言います。」
「こちらこそ初めまして 更屋敷潤って言います。よろしくお願いします。」
「早速、魔法量の測定を行いたいと思います。この機械に手を置いて魔法力をフル開放してください。」
「分かりました。」
手を置き、魔法力をフル開放してみるとみるみるうちに機械の測定数値が跳ね上がっていった。
最終的には普通のマギサズの何千いや何百万倍もの数値をたたき出した。
「えっ!? この数値ってありえない…」
「驚きましたか? 日本本土でも測定した時、同じような反応されましたね。」
「そうなんですか…気を取り直しまして属性魔法の適性を調べてみましょう。」
「えっ…全属性に適性あり? そんなバカな…」
「へへっ 全属性の他にも妖精や精霊、神族などの魔法も扱えますよ。」
「それはチーターや…」
「これで全部の試験は終了しました。結果は即日に出ます。筆記試験を受けた教室で待っててください。」
「了解です。」
僕は、教室に戻って服を着替えた。
しばらくして、合格発表が校内放送される。
「ピンポンパンポーン 入試の合格発表です。
更屋敷潤くんをダントツでの首席入学としSS評価とします。その理由としては圧倒的運動神経と魔法スキルに関しても申し分もなく、実戦経験者であることも考慮したとの事です。以上、入試の合格発表でした。」
「やったー 合格したー 天照大御神様にも伝えておこう。」
下から階段を駆け昇る足音が聞こえ、教室のドアがあいた。
「潤ちゃん 入学おめでとう。制服と生徒手帳と各種の教科書も用意しておいたわよ。明日から登校ね。明日、入学式をするからよろしくね。」
また、ばぁーっと階段を下る音が聞こえた。
「おばあちゃん… 忙しいよね。何もともあれ、入学出来た事だし、寮を見てこようかな。」
僕はまだ知らなかった… 世界各国の思惑に巻き込まれていくことになるとは…
そして、マギサズの軍事利用を画策する勢力が暗躍していることを僕はまだ気がついていなかった。
思惑が交差している中で平和な学園生活を送れるのか?はたや色んなことに巻き込まれていくことになるのか? 果たしてディザードを駆逐出来るのか?
次回に続く
次回、入学式
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