6.2話 呪われし魔剣 続

(続きです)


 え?この子ってあの魔剣なのか...?


 僕の目の前には一人の小学生と同じくらいの身長を持つ美少女が立っている。顔が整っている上、銀髪ショートヘアー、そして真っ赤なワンピース。普通に可愛いと思う。これであとちょっと身長が高く大人っぽくなったら僕の好みにどストラ... そ、そんなことより初代勇者が僕と同じ勇者(闇)?そんな事は僕も知らなかったのだが。


『えーっと頭が追いつかないんだけど...つまり君は魔剣 ティルヒィングなのか?』


【そうです、ご主人様。妾の名前はティルヒィングです。妾の事はティアとお呼び下さいませ】


『そうか。じゃあ...ティア、君は魔剣としての姿が本来の姿なのか?それとも今の人間のような姿がそうなのか?』


【...そんな事はどうでもいいのです。そんな事よりご主人様、貴方はステータスを偽装していないのですよね?】


 ステータスは偽装出来るのか。今まで僕のステータスを見たら皆驚いたからな、偽装か... うん、是非とも欲しい。てかこの際だから僕のステータスのどこが異常なのかも教えて欲しい。そしてこの魔剣、意外と失礼だぞ。そんな事どうでもいいです、とか。


『もちろんしていないよ、何か僕のステータスに問題でもあった?』


 その時、ティアが信じられないというように首を振った。え?そんなに?


【むしろご主人様、ご主人様のステータスには問題しか御座いません。これは大問題です!】


 え...えぇ?僕のステータスって異常だらけだったのか?そうなのか?かな。でも竜族四天王のギオラが言ってたよね、«お主のステータスは歴代最強といわれる初代勇者に匹敵する»って。初代勇者もそこまで周りと掛け離れていたわけではないと思う、だから僕もそこまで強くはない...ハズ。


 その後、ティアは僕にこの世界について色々と教えてくれた。途中、僕のステータスがどのくらい異常でどうするべきかもついでに説明してくれた。自分でも認めよう、僕のステータスは確かに異常だらけだ。ティアが教えてくれた事にはこの世界の成人は15歳でその時の平均ステータス、そしてこの世界での覇を賭けた3種族間の戦争についての情報が豊富だった。竜族に捕まっていたにしては世界情勢に詳しいんだな、ティアは。


 ティアの話によると、この世界の成人のステータスは体力が50~90、魔力は100未満、素早さと攻撃、そして防御は200ぐらいらしい。また、スキルや魔法は1つでも覚えていると超がつくほどのエリートになれるとも言っていた。そう、僕は9つ覚えている。女神アズリエルから与えられた使命は魔王の討伐。つまり魔王討伐後の仕事はエリートになる事が無難ってわけだ。別に僕はチキュウ?に戻りたいとは思っていない。確かに僕は僕の妹らしい女の子に会ってみたいとは思うが...まあこの事は魔王を討伐した後にゆっくり考えよう。

 

 ふと思ったんだけどエリートってなんのエリート?ちょ、ちょっとまって、なんかティアちゃんがこっち向いて冷たく笑っているんだけど?怖い怖い怖い怖い。


【ご主人様、そろそろこの洞穴から出ませんと竜族四天王のギオラが帰ってきますがどうしますか?...ぶっ殺します?】


 ティアちゃんが怖い、本当に怖い。もしかしてそういうスキル持ち?なんかスキル 尋問みたいな。そういえばティアのステータスをまだ見ていなかったな。どれ...


『それよりティア、ステータスを僕に見せてくれないかな?』


【別に構いませんが... 何故なのです?】


『いざ戦闘!となった時、一緒に戦う味方のステータスを知りたいと思うのも異常なのか?』


【そういう事でしたら... ステータスオープン!】


 --------------

 ティア 女性

 ?歳

 職業=呪われし魔剣

 Lv. 16


 体力: 2034/2034

 魔力: ∞

 素早さ: 7987

 攻撃: 10952

 防御: 359


 スキル&魔法 全8種


 人化術 Lv. Max

 調査 Lv.2

 硬化 Lv. 2

 威圧 Lv. 2

 流星 Lv.1

 あやつり人形 Lv. Max

 魔法耐性 Lv. 3

 物理耐性 Lv. Max

 勇者(闇)の加護

(全てのスキルや魔法のスキルレベルが+2される。また魔法とスキルを使うのに必要な魔力が半減する)

 --------------


 強い。予想していたステータスの斜め上を行く。てか魔力∞ってどういう事?しかも年齢?って...いや、何も言うまい。


【妾も長い歳月の間生命力を我慢しておったのじゃ、弱くなっておるのは当然なのじゃがさすがに弱くなりすぎたようじゃな】


 僕は改めてステータスを見ていて気づいた。そして僕はとても驚いた。スキル、魔法の欄の最後にはこう書いてあったのだ。


 勇者(闇)の加護、と...

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