第三話

「もしもし、駒井さんですか」

何処かで聞いたことのある声だが、思い出せない。

切羽詰まったトーンでそう問いかけられたが、一度心を落ち着かせ

「はい、駒井春香です」

と応答する。


それを聞き、相手は安心したらしい。

先ほどよりもゆっくりとした口調で話し出した。

「こちらは、株式会社マリ・カンパニーです」

その名前には聞き覚えがあった。修の勤め先だ。

もしかして、修に何かあったのではないか__嫌な予感が、頭を過ぎる。


「落ち着いて聞いて欲しいのですが、先ほど大崎修さんが社内で倒れて病院に搬送されました」

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