第4話「終幕」
キーンコーンカーンコーン
先生「はーい、それでは出席とりますね。……っと、その3人はまた欠席みたいね」
席「」ガラーン
ヤンキー「先生ェー。コイツらなんで最近来てねェの?」
先生「ごめんなさい。何もわからないの。連絡も来てないから」
先生「まだ家にも帰っていないみたいよ。一体どこに行っちゃったのかしら……」
クラス「こわーい」
妹「……」
妹(妹友ちゃんとあの2人、ちょうどあの時いた子達。心配だな……)
★
俺「くくっ。今日はいい天気よの。日向ぼっこにはちょうどいいわ。お前も一緒にどうだ?」
妹「お兄ちゃん」
俺「ん?」ゴロゴロ
妹「この間、お兄ちゃんが傘届けに来てくれた日あったよね? あの時あそこにいた3人が今行方不明みたいなの」
俺「ほう。まだ見つかっておらんかったのか」
妹「……? 何か、知ってるの?」
俺「ふむ。そろそろ話してもよかろうな。実は……」
★
俺「と、いうわけだ」
妹「そうだったんだ。私が待っている間にそんなことが」
俺「お前、結構モテておるぞ。妬みから兄に牙を剥けるほどゾッコンだとは。男を狂わせる魔性の女よ。くくっ」
妹「そういう変な人から想われても嬉しくないよ私」
俺「そいつは始末したから安心するといい」
俺「だがまあ、他の2人については心当たりがまるでないわ。事故にでも遭ったのではないか? あの傘では視界は悪かろう」
妹「やっぱりそうなのかな……」
俺「お前が悔いても仕方あるまいて。さて、頭を使ったら小腹が空いたな。何か甘い物でも買ってきてくれ」グゥー
妹「うん。お饅頭買ってくるね」
ガチャッバタンッ
★
アリガトウゴザイマシター
スタスタ
妹「間違えて大福買っちゃった……。ボーっとしてるのかな私。お兄ちゃん、ガッカリしないといいけど」
チリンチリーン
妹「……今の、鈴の音? でも、こんなにはっきりと。どこから?」
チリーン
妹「あれ? この感じ、鼓膜じゃない。心に響いてる?」
曲がり角「」ヌッ
男「────」チリーン
妹「わっ」
男「久し振り、妹ちゃん────」
★
妹「あ、男くん……。生きてた。なんだか、雰囲気が変わったね」
男「うん、その手に持っているのは大福? 可愛いね────」
妹「どうしたの? その、草履と着物。提灯まで持って。近くでお祭りでもあるの?」
男「これ、私服────」
妹「そうなんだ……」ドンビキ
蜂「」ブブブッ
妹「あ、蜂……。男くんの方に向かってる、危ないよ」
男「────」ヒラリ
妹「流れるような所作」
男「身を躱すこと柳の如く────」
妹「え、うん」
男「妹ちゃん────」
男「僕と、付き合ってほしい────」
妹「え、無理」
完
【SS】俺「お前、結構モテるのだな」 妹「?」 文月 景冬 @Fuzukie
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