第4話「終幕」

キーンコーンカーンコーン


先生「はーい、それでは出席とりますね。……っと、その3人はまた欠席みたいね」


席「」ガラーン


ヤンキー「先生ェー。コイツらなんで最近来てねェの?」


先生「ごめんなさい。何もわからないの。連絡も来てないから」


先生「まだ家にも帰っていないみたいよ。一体どこに行っちゃったのかしら……」


クラス「こわーい」


妹「……」


妹(妹友ちゃんとあの2人、ちょうどあの時いた子達。心配だな……)



俺「くくっ。今日はいい天気よの。日向ぼっこにはちょうどいいわ。お前も一緒にどうだ?」


妹「お兄ちゃん」


俺「ん?」ゴロゴロ


妹「この間、お兄ちゃんが傘届けに来てくれた日あったよね? あの時あそこにいた3人が今行方不明みたいなの」


俺「ほう。まだ見つかっておらんかったのか」


妹「……? 何か、知ってるの?」


俺「ふむ。そろそろ話してもよかろうな。実は……」



俺「と、いうわけだ」


妹「そうだったんだ。私が待っている間にそんなことが」


俺「お前、結構モテておるぞ。妬みから兄に牙を剥けるほどゾッコンだとは。男を狂わせる魔性の女よ。くくっ」


妹「そういう変な人から想われても嬉しくないよ私」


俺「そいつは始末したから安心するといい」


俺「だがまあ、他の2人については心当たりがまるでないわ。事故にでも遭ったのではないか? あの傘では視界は悪かろう」


妹「やっぱりそうなのかな……」


俺「お前が悔いても仕方あるまいて。さて、頭を使ったら小腹が空いたな。何か甘い物でも買ってきてくれ」グゥー


妹「うん。お饅頭買ってくるね」


ガチャッバタンッ



アリガトウゴザイマシター


スタスタ


妹「間違えて大福買っちゃった……。ボーっとしてるのかな私。お兄ちゃん、ガッカリしないといいけど」


チリンチリーン


妹「……今の、鈴の音? でも、こんなにはっきりと。どこから?」


チリーン


妹「あれ? この感じ、鼓膜じゃない。心に響いてる?」


曲がり角「」ヌッ


男「────」チリーン


妹「わっ」


男「久し振り、妹ちゃん────」



妹「あ、男くん……。生きてた。なんだか、雰囲気が変わったね」


男「うん、その手に持っているのは大福? 可愛いね────」


妹「どうしたの? その、草履と着物。提灯まで持って。近くでお祭りでもあるの?」


男「これ、私服────」


妹「そうなんだ……」ドンビキ


蜂「」ブブブッ


妹「あ、蜂……。男くんの方に向かってる、危ないよ」


男「────」ヒラリ


妹「流れるような所作」


男「身を躱すこと柳の如く────」


妹「え、うん」


男「妹ちゃん────」


男「僕と、付き合ってほしい────」


妹「え、無理」


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【SS】俺「お前、結構モテるのだな」 妹「?」 文月 景冬 @Fuzukie

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