第25話 狂った怒り

 怒った時は十数える、激怒した時は百数える。

 短気は損気、とも言えるが、問題は自分が怒った時には自身に適用できても、はなからイカれている相手には、文字通り場合もある。

 刃物を振り回し斬り付けて笑ったり、「火をつけてやる!」と喚いて火気を持ち出す者など、先ずは異常者として対処しない事には、人生の多くを人面獣心の怪物に奪われる事となる。

 精神的な治療が必要不可欠な問題行動を繰り返す人物が自然治癒する事など、ほぼあり得ない。適切かつ妥当な専門治療が必須である。

「今日は薬を飲まなくても平気」「いっぱい飲まないと効かない」等の言動は、特に危険だ。専門の医師を通さずに勝手な素人判断をしない、という常識が通用しない状態だからだ。

 こうした不適切な行為も治療を遠ざけるのだが、そもそも狂っている事実から正しい行動は期待できない事も多い。平然と嘘を吐くからね…、本当に。

 異常行動を頻発し、その上で放置を決定をするような人物が周りに存在すると、怪物の凶行をより強化させる事にも繋がる。異常を支えている協力者のいる事態も有り得るのだと、忘れてはならないのである。

 根本的な治療が必要な者をそのままにし、ビジネスに利用している医師や集団もまた実在するのだから。


 魔導国の都市エ・ランテルでの一夜が過ぎた。

 夜中にも、窓の外をアンデッドの一団が道を歩いて行くのを数回目撃したが、突然襲って来る事も、悲鳴が周り中から聞こえる事もなかった。

 エメローラは幾度か浅い眠りをしただけで、気が休まる事はないままにこの都市での初の夜明けを眺めている。

 地下、しかも元牢屋を部屋にされたレイナースの怒りの噴出があれば、止めようと考えてもいたが、寝付けなかった最大の理由は、強大に過ぎる不死者が多く存在する、悪夢が実体化したようなこの国の現状だ。

 神官として全く対処が思い浮かばない現実。

 人を守れる、という自信が心の底から一滴も湧かない。

 魔導国の冒険者になるという目的は、レイナースの呪いを解く事が大きな割合を占める。だが、アンデッドの跳梁を止めるのも、神官エメローラ・ウォルタユンの使命だ。

 それが叶わぬ夢となった。あの死の騎士デス・ナイトを一体でも見れば、否応もなく自覚せざるを得ない。

 勝てぬ、と。

 人の世は、この都市の怪物たちが解き放たれれば終わる。

 この超常を止められるのは、更なる奇跡が突然に発生する事でもなければ不可能であろうし、それはあまりにも漠然とした願望であり具体的な想像が出来ない。

 この世すべてのアンデッドが消滅するような事でも起こらない限りは、人類救済の道はないだろう。そして、そんな事が起こり得るのか?

 それこそ夢物語だ。

 今、必要なのはこの都市での日々を生き抜く事。

 エメローラは努めて気持ちを切り替えると、厨房の仕事を手伝うべく、着替える事から始めた。


 夢も見なかった。…これほどぐっすり眠れたのは、いつ以来であろうか?

 いつの間にか眠りに落ち、気付けば目覚めていた。

 周りを見回せば、見知った家具に、見知らぬ内装。鉄格子が見え、その先は石壁だ。どう見ても牢屋。

 だが、それが良かった。自らを抑える事が出来ぬ以上、他者と隔てる何某かの束縛が必要となる。

 それに初めて野営を経験した時を思い出していた。家の外を飛び回り、「こんな世界もあるのですね」と驚きの連続であった。貴族令嬢らしからぬ、と評価されようとも、未知の環境は楽しかった。

 その結果、呪われたのは痛恨の失敗であるが、この都市の強烈な邪気にでもてられたのか、右顔の痛みが今朝は落ち着いている。

 再び目を閉じ、深呼吸する。

(油断はしませんわ)

 レイナースは自らを戒める。

 ついて来た者は、目の辺りを覆う左右で色の違う仮面を着けている。顔の均整が取れていないと、不思議と怒りが湧いてこないが、帝国にしろ魔導国にしろ道行く女たちがすべてそうした姿ではない。

 耐える方法を模索せねば、問題を起こして処刑となれば、あらゆる努力が水の泡だ。魔導国講習の内容が反芻される。自分はなるべく出歩かぬが吉だ。

 だが、この都市の冒険者組合には行かねばならない。愛馬は休ませ、馬車の中にいた方が安全だろう。

 慎重を期す、と心に決め、今度こそ起き上がる。用意された布で、歪な右顔から出る膿を拭う。毎日の日課となってしまったが、その事に憤りは募るばかりだ。

 歯軋りをする。

 同時に感情を鎮めるようにもする。出かける前からこれでは危険だ。

 覚悟を決めろ。

 相手がアンデッドであれ、悪魔であれ、これを解呪できるのであれば、魂をも売り渡そう。


 皆が朝食を終えると、今日の行動を会議室で決め、先ずは十三名全員で冒険者組合に向かう。

 ゼファー、スコット、ピヨン、ザインは馬。残りは軍用馬車一台に乗り込み、先頭はアマンダが御者となって案内する。

 レイナースは道中、目を閉じたままであった。他の者は街中の様子を見、道順や他の建物も憶える。

 朝はアンデッドが弱まるかと思っていたが、死の警備兵は依然変わりなく巡回をしており、傍を通る度に恐怖で身が震えた。

 ただ目的地への到着は早かった。元から冒険者組合になるべく近い場所から住居を探していたからだが、サントアッド商会は見事に仕事をしてくれたようだ。

 馬留めに繋ぎ、馬と馬車はアマンダが見張る。

「なるべく早く済ませてねー」と手を振る彼女に見送られ、一同は冒険者組合の中へと入って行った。

 ロイドが扉を開けると、奥に受付、右手には依頼掲示板と五人の集団、左手には大きな扉がある。別段おかしな所はない。ロイドは後ろの皆に頷くと、様子を見ながら建物を進んだ。

 受付嬢と五人組の視線が集まる中を、十三名は受付へと向かう。五人の集団から「おい、あれは…」などと話声も聞こえる。多分、レイナースに気付いたのだろう。

 受付台カウンターに近付くと、受付嬢が右、つまりはロイドの左側に視線を送る。そこは待合所ロビーになっているようだが、何かあるのかとそちらを確認すると同時に、後続に「止まれ」の手信号サインを送る。

 後ろの十二名が止まるのを感じながらも、ロイドは動けなかった。

 待合所にモノの判断がつかないために。

 ゼファーから「おい、何だ?」と問われても答えられない。「静かに」「危険」と続けて手信号サインを出す。

 間を置いて、受付嬢が話しかけてくる。

「大丈夫ですよ。何もしなければ危害は加えてきませんので。皆様ようこそ、アインズ・ウール・ゴウン魔導国冒険者組合へ。」

 彼女からの笑顔にレイナースは颯爽と舌打ちをするものの、ロイドが「すみません」と後ろの皆に謝る事で誤魔化す。受付嬢ではなく自分のミスへの反応、と受け取ってもらえるように。

 五人組が苦笑する。「いや、仕方ないよ」「アレはビビるよな、実際」とロイドを擁護する声も上がる。

 ロイドは覚悟を決めて受付台に歩むと、続く他の皆にも待合所が見えてくる。

 同時に、その中央にある青く光る巨大な水晶も。薄暗い建物の中でも輝いている事から自身で発光しているのだろうし、周りを小さな光が螺旋を描いきながら動いていた。

 その外見は実に綺麗ではあるが、車輪付きの台座の上から天井ギリギリまでの大きさがあり、光が踊る様な水晶は普通ではない。さらには、気配などはないのに、目にした途端に凄まじい力を感じ取れるのだ。

「何、アレ?」パメラの好奇心。

「この冒険者組合に配置されております、アインズ・ウール・ゴウン魔導王陛下の僕の方であり、当組合の従業員でもあります」

「そうなの…、ありがと」

「それで、本日はどのようなご用件でしょうか?」

 受付嬢の確認に、レイナースは応える。

「魔導国の冒険者となるために…」

 言いかけた所で、組合の二階の扉が大きな音を立てて開かれ、壮年の男が叫びながら飛び出してくる。

「しつこいぞ、ラケシル!」

 その声を聞き、五人組が「また始まった」と笑い、受付嬢は困ったように笑顔だけは崩さぬ努力をしている。

 同じ部屋からもう一人、線の細い男が出てくる。「待て! まだ今日の調査は済んでいないぞ!」

「そんな物、頼んでいないと何度言わせる気だ!」

「魔法の発展の為だ、人類の未来に関わるんだぞ⁉」

「お前の欲望だろうが!」壮年の男が、守る様に短剣の様な物をかき抱く。

「触るだけ! 嘗めるだけだから!」細男が駆け寄る。

「なめるな!」

 五人の笑い声がし、二人の男は縺れ合う。やがて、壮年の男が細男を気絶させ、肩で息をしながら立ち上がった。ふぅ…、と身も心も疲れ切った溜息が聞こえると、笑っていた者たちが拍手をしていた。

「いいぞ、組合長」

「今回も守りきれたな!」

「…お前たちも他人事ではないぞ? 特に、貴重なマジックアイテムを手に入れた後はな…」組合長と呼ばれた男の忠告。

 そして、階下の別の集団にも気付く。特にその内の一人、右顔を髪の毛で隠す女に注目する。

「…そちらの方々は?」

「先程いらっしゃいましたが、用件はまだお聞きする途中でしたもので…」

 受付嬢の言葉に組合長は頷き、「私から話しを聞こう」と階段を降りてくる。

「お見苦しいところお見せしてしまいましたが。はじめまして、私は当冒険者組合長プルトン・アインザックです」

「私はレイナース・ロックブルズと申しますわ」

 その名に周囲もざわつく。やはり、と五人組から声がする。それと受付嬢が慌てる。四騎士の話と共に、女性の顔を憎むという噂も聞いた為に。そして、この集団の女性陣が色の違う変な仮面をしている理由もまた合点がいった。

 組合長は受付嬢に「彼を呼んできてくれるか?」と言うと、彼女は頭を下げて控室へと下がる。興味を持って出てきた職員もこちらの様子を窺っているが、女性は男性職員の影に隠れて見ていたりする。

 そんな皆をアインザックは一瞥すると、レイナースたちに待合所ロビーのソファーを勧め、自身も水晶を背にした一席に座った。

「さて、皆さんはこの魔導国冒険者組合にどのような用向きでしょうか?」

 十三名を見渡し、レイナースに問いかける。

「この国の冒険者となる為に、ですわ」

 組合長の目が細まり、逞しい笑顔を見せた。

「ほぅ、それはありがたい。帝国四騎士の"重爆"殿とお見受けするが、ここに来られた全員で、と言う事ですかな?」

 レイナースは首肯する。

「その為に私はこの十二名を集めましたわ」

「…それ以外には、ありますかな?」

「以外に、とは?」

 アインザックは再び皆を見つめる。

「わざわざこの国の冒険者になる理由です。勿論、志望者は大変にありがたい。高名な騎士ともなれば尚更に。しかし、今の内に聞いておかなければならない事もありましょう。…魔導国の冒険者になる、と言う事は、あなた方が想像しているよりも厳格に法によって縛られる。国からの支援も約束されていますが、魔導国に属する事は皆さんがご承知ですか?」

「国家に属する、というのはすでに帝国騎士としてならば、当然その重みも理解していますわ。この場の誰もがそうです」

 口を開きかけたホッドは、スコットによって塞がれた。

「何故わざわざ、と問われれば、私の場合は魔導国の支援に期待もしているからです。これは正直な想いですわ」

「期待している支援、とは?」

「この身に掛けられた呪いを解く事ですわ」

 レイナースは淀みなく答える。ここでは今後の忠誠も試されているのだろう。躊躇いは疑いに繋がる。

「覚悟も、確たる目的もあるならば、大丈夫でしょう。いやいや、十三人もの大所帯に来ていただければ、この組合も賑やかになるでしょう」

 組合長もホッとする様子を見せる。そのおかげか、レイナースたちにも和らいだ空気が流れる。ここまで来て御破算となれば、双方にとって不幸となったのかもしれない。

「冒険者は随時募集しているものの、中途半端な思いですと逆にその志望者が危ないのでね。王国の頃の様に、勝手に魔導国を抜けたり、すぐに辞めたりなどは断じてしないように、説明を徹底しておくのがここの新しい規則となるでしょう」

「確かに、魔導国の冒険者は帝国とも違いますな」ゼファーの同意。

 アインザックは頷く。

「そう。今だこの国で知られていない未知の領域を探索してもらうための組織、それが魔導国冒険者組合。危険も多くある為、支援も順次広げる予定ですが、志願者の心決りは必要不可欠でしてね」

「その支援、解呪も出来ますの?」

 レイナースの真摯な問い。

「…治療に関して、魔導王陛下の決定が必要となるでしょう。冒険者組合独自の治癒をどうするかも、未だ模索中の分野でこの場で答えられず申し訳ない」

 歯噛みする音がする。

 周りはヒヤリとするが、アインザックは無言だ。噂話から呪いの事情を推し量ってくれているのだろう。

「…それは、この地の神殿との軋轢がある、という事でしょうか?」

 今度は聖印を握り締めたエメローラが問う。

「魔導王陛下は人の生活に干渉はあまりしない御方ですし、神殿勢力も沈黙を続けているので、組合からは動けないというだけです。神殿の方々と話し合うには、もう少し時間が掛かるでしょう」

「私が神殿に行くと、何か問題となりますでしょうか?」

「それは問題ないでしょう。皆さんが来た時に五人組がいましたが、一人は神官で神殿にも行っていますよ」

 組合長の言葉に、エメローラは少し安心したようだ。他にも様々な規則や注意点の説明を受け、レイナースたちの質問も終える。

 その時、受付台から出てくる者があった。それを見て、アインザックは立ち上がる。

「彼も来たようだ。それでは皆さん、早速冒険者登録をしますか?」

「ええ、お願いしますわ」レイナース以下も席を立つ。

 受付からこちらに向かって来るのは、トロンやサンと同じような耳の男。森妖精エルフであった。金の髪に碧の瞳、眼鏡をかけて緑色の法衣のような物を身に着けている。そして、凄まじい強者だろうと思われる。

 手に記入板と羊皮紙の束を抱え、組合長の横に並ぶ。

「当冒険者組合の長は私だが、魔導国の審査官も志望者を見てくれる。彼はその一人、緑風りょくふう殿」

「緑風です。冒険者志望の皆さん、どうぞよろしくお願いします」

 軽く礼をする緑風に、こちらも礼を返す。

「もうお一方は、皆さんも目にしていますがこちらの水晶のような姿をされている方です」

 アインザックが紹介すると、水晶の光が明滅し、耳ではなく頭に直接響くように声がする。

「どうも~、はじめまして~。名前はあるんですけど、けっこー長いので~、ディーちゃんって呼んでください~」

 え、コレ喋れるの⁉ という驚きもあるが、甘ったるい女性…よりは女児のような声で、外見は美しいだけにより一層の奇妙さが増す。

 組合長が二人(?)を見る。

「私の方で意思確認は済みました。お二方の審査をお願いしますよ、その間に準備もしますので」

 そう言うとアインザックはその場を離れる。

 記入板に羊皮紙を一枚置いて、緑風が話し始める。

「それでは、冒険者として登録していきたいと思います。一人づつ順番に、こちらへ立ってください」

 手で示されたのはディーちゃんの前。「私から行きますわ」とレイナースが真っ先に出る。

「お名前を」

「レイナース・ロックブルズ、ですわ」

「名はレイナース、性はロックブルズ、ですね」

「ええ」と頷く。

 そこまで書くと、緑風がディーちゃんの台座にある、長方形の凹みに記入台を置いた。

「では、心を静めていてください。お願いしますね」

「は~い」

 水晶の声と同時に、多様な色彩の光線がディーちゃんからレイナースに照射される。びくっ、と身体が跳ねるが、驚いただけの様で焦げたり溶けたりといった事は起こらなかった。

 その光線が消えると、今度は記入板の羊皮紙に光が走る。高速で文字のような物が記されていく。

「終わりました~」の声に、緑風が記入板を取り確認する。

 そして、森妖精エルフの碧い瞳に若干の驚きが浮かび、レイナースを見る。

「これはまた、不思議な気分になりますね」

「ね~、驚き~」

「…何か、問題がありまして?」

 レイナースの当惑。緑風は微笑む。

「いえ、寧ろ良い採用結果になると思いますよ」

 どのような? と聞きたかったが、「次の方、どうぞ」と流されたために、その場で確認は出来なかった。良い、とはどういう意味なのかも、基準が判らない。

 同様に審査は進められ、羊皮紙に記入される。名前も内容も、レイナースたちでは読めない言語であり解読は出来ないが、緑風とディーちゃんの反応からは悪くない水準であるようだ。

「お疲れさまでした、審査の方はこれで完了です。ここからは、組合側の書類記入もありますので、受付台の彼が案内します」

 緑風の示した先には男性職員が二人並び、紹介されて頭を下げていた。

 帝国と王国は文字も近いが、現状では魔導国冒険者組合は王国語での表記である為に、帝国表記からの若干の書き換えもある。組合の書類に書かれた文字で冒険者証の裏面にも名前が掘られるために、思ったより手間取ってしまう。

 人数も多いのも、原因ではあるが。

 そこで、午前の作業はここまでとして一度宿舎に戻る事とした。組合の方も時間的余裕がある上に、急ぎの仕事もないのだった。

 アマンダも待機は慣れているが、この都市の移動にも慣れたかった。

 午後に職員からより詳しい冒険者講習を受け、今後の育成強化計画を練り、最後に新しく造られた冒険者証を渡されるのだそうだ。

 後は、冒険者組織としての名前を決めておいて欲しい、との事だ。

 レイナースたちの最初の課題。隊の名称決め。

 兎にも角にも、これで冒険者の出発点には立てる。目的達成の為に、後は歩んで行くだけだ。


 レイナース一行が昼前に一度出た冒険者組合の一角では、一人の復讐鬼が目覚めんとしていた。

 その者の名は、テオ・ラケシル。

 最近、組合長アインザックが魔導王から戴いたという短剣を、調べ尽くしたいと渇望する男。実際にはすでに彼の好意で貸してもらい、魔法による調査をしているのだ、何度も。

 だが、まだまだ足りない。毎日しなければ!

 その結末が、二人の取っ組み合いであった。

 ゆっくりと怒りに燃える男が、寝ていた床から起き上がる。

「…許さん、ゆるさんぞ。この私の探究を邪魔するとは、悪鬼魔導の地に墜ちるか、アインザック!」

 完璧なまでの逆恨みで、ラケシルは組合長の部屋へと再び突撃する。

 このラケシルの乱は、瞬く間に暇を持て余している組合員に知れ渡り、二分と経たずに鎮圧され、五分後には「今日の昼食は何にしようか?」の話題に消えてしまうのだった。

 憤怒する者の末路、いと憐れなり。

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