懐いた後輩がうるさくて寝れないので、意地悪して嫌われようと思う〜それ意地悪じゃなくて惚れさせてますよ?
午前の緑茶
第1話 俺の日常
俺は神崎裕也。某高校に通う高校二年生だ。今、非常に眠い。いや常に眠いのだが、今はかつてないほどの眠気を経験している。
「ならば寝れば良い」と人は言うかもしれない。もちろん、俺も寝れるのならば寝ている。
現にこれまでは、家だけでなく学校でも寝ることで眠気を解消してきた。
しかし、現在俺は学校で眠ることが出来ない状況にいるのだ。その原因がこの隣でずっと話しかけ続けているこいつだ。
「先輩〜、なんで寝ているんですか?私と話しましょうよ〜!」
こいつは、雨宮えり。俺の一つ下でいわゆる後輩というやつだ。
「なあ、雨宮」
「お!とうとう私の苗字覚えてくれたんですね!!だんだん私に興味持ち始めちゃいましたか〜?まあ、私みたいな美少女に話しかけられてたら、男なら誰でも気になり始めちゃうものですものね」
勝手にうんうん、と頷いている雨宮。
自称するから否定したくなるが、確かにこいつの容姿は非常に優れているのだ。
艶々に輝く肩までほどの長さのセミロングの髪。愛くるしい目、彫刻品のように整った鼻、熱い果実のような唇など、顔の一つ一つに目を奪うほどの魅力がある。
そんな優れた容姿を持つわけだが、うん、正直こいつの言い方はめっちゃ腹立つな。一発殴りたい。
「勝手に変な理由つけて納得するな。俺とお前、別にこれまで何も関わりなかっただろ?なんでそんな急に話しかけてくるようになったんだよ?」
「え〜、いきなりそこ聞いちゃいます?普通はそういうのは後々になって昔会っていた幼馴染だったとか、あるいは転校してしまった初恋の人だったとかがわかるパターンじゃないですか〜」
「じゃあ、お前と俺にそんな間柄があったのか?」
「え?全くないですよ?」
けろりと、平然とする雨宮。
あー、まじでうぜぇ。
「もういいや。それより何回も言っていると思うが、俺は学校では寝てたいんだよ。静かにしてもらえないか?」
「も〜!!寝てばかりで友達がいないボッチな先輩にこんな可愛い後輩が話しかけているんですから相手してくださいよ〜!」
「そんなことは知らない。とっとと帰れ」
そして俺は机に突っ伏し寝たふりをする。これで帰ってくれるかと思いきや、まだ話しかけ続けてくる。
あー、うるさい。
こういうわけで俺は学校で寝ることが出来ない日々を送らなければならなくなったのだ。
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