第24話 ヤリ
やっぱり手にはグローブ的なものを、はめるだろうと思いました。これは主人公よしおにも言えることですが、とりわけリーダーが素手で決闘に来るとは思えないのです。そもそもヤリを扱う時にはグローブをハメた方が怪我をしにくいですし、相手から小手を打たれた時もグローブ手袋の有無は重要です。金網を越える時にも手袋をしていると尖った部分で怪我をしない、と考えられます。特に医療が期待できないこのゾンビワールド、無間地獄、世紀末救世主伝説、ワニワニパニック、インフラ崩壊祭り、ご当地ゾンビ展、イッツア・焼きナッツ・ワールド、ドキッ死人だらけの衰永大会、では怪我防止は何よりも重視されるはずなのです。というわけでモヒカンリーダーは強力な防刃グローブをはめてきた設定になりました。そして防刃グローブがアリならばホームセンターからパクってきた防刃素材を服に縫い付けたり、そもそも作業用の防刃ベストなどがあるわけですからリーダーの防御は完璧になるはずです。たとえ服の下に何も着ていなくても、よしおがリーダーが防刃装備だと考えるのは自然です。つまりリーダーに対しては刃物が効かない前提ということになります。もちろん顔面や首は露出していますが防刃手袋で防御されてしまうので結局同じことなのです。
リーダーの防刃服や防刃手袋の良さばかりが目立ちますが、よしおだって負けてはいないのです。まずゾンビスーツを着ていますから手袋をしているようなものです。顔以外はほとんどゾンビ皮の中です。ですからリーダーのヤリが足を貫いてもゾンビ皮しか貫けなかったということは十分考えられます。リーダーが腹を刺してきても脇腹のゾンビ皮を刺されただけで中身のよしおボディは無傷ということも十分あります。つまりゾンビ皮を貫き、よしおボディを貫かなければダメージは入らないのです。リーダの浅い斬りつけではゾンビ皮までで刃物が止まってしまいます。リーダーはよしおの体の中心部を効果的に完璧に刺す必要があります。これで決闘は五分五分だと私は思っています。フェアなのです。
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