第17話 交差点

ついに行方不明のモヒカン二名の捜索が始まりました。リーダーはまず捜索隊を出して見回りルートを探させます。すぐに行方不明の車両が見つかりリーダーに無線が入りました。執筆中はあまり深く考えずに書きましたが今から読み返すと的確な指揮だったと思います。まずリーダーたるもの自ら捜索隊に出てはいけないのです。罠のように二名がやられたのなら二の舞になる可能性が高いのです。ですから捜索隊に出した二名はあまり重要なモヒカンではないと思われます。若手モヒカン、新入りモヒカン、無能モヒカンのたぐいです。彼らからの無線によりついにリーダーと車両担当のヨシヒコが出動しました。これで現場はモヒカンが四名になるわけですから相当な敵であっても数では足りると思います。さらに捜索隊に追加で何名か出すのも考えられますが本部の人数も確保すべきです。リーダーの不在を襲われる危険性もあります。夜間の見張りで疲れて寝ているメンバーも本部にはいるのです。ですからリーダーは最新の注意を払って人数を分配して捜索と救助にあたりました。車両担当のヨシヒコは本部に残したかったのですが、行方不明だった車両を回収する場合は現場で修理の必要もあります。そもそも敵が罠を使って車両を壊してくる戦法ならば修理担当を連れて行かないと本部まで帰って来れなくなるのです。


現場に着いたリーダーはトオルの頭が落ちているのを発見します。このあたりは書いていてもゾッとしたのを覚えています。ゾンビ作品なのですから頭ぐらい落ちていても当たり前の朝飯前なのですが、やはり私も人間です。正直ゾッとしました。そういえばモヒカン二名は主人公のよしおに襲われて群衆ゾンビに引きずり出されました。車外に引きずり出されたモヒカン二名がどうなったかは記述していなかったのです。その後の二名は可能性として2パターンが考えられます。まずはガブリによりゾンビ化してウロウロです。もう一つはガブガブされてバラバラになるパターンです。なんとか逃げ出せるというのも論理的にはありますが、この状況では難しいと思いました。そこでトオルはバラバラになり、ナオユキはゾンビ化するという展開にさせてもらいました。現場のモヒカンらはバラバラのトオルパーツを袋に入れて車を回収して、とりあえず本部に帰ることになります。まだ現場では何が起こっていたかは不明で長居は無用なのです。トオルのヘッドを回収したのも遺体から状況を知るための意味があります。そもそもリーダーは先行した捜索隊に待機を命じていました。写真を撮って現場を記録することだけを指示していたのです。敵が何者かも分からず偶然にゾンビの大群に囲まれただけの可能性すらあります。もしそうならゾンビカーが不備で中のモヒカンが襲われたことになります。ゾンビカーの密閉の改善のためにも何が起こっていたかを知ることは最優先です。


今回は少し恐ろしいコメンタリーになってしまったのですが、ここでオマケとしてモヒカンの生活について考えてみたいと思います。現在のモヒカンらは食品倉庫を改造して安全な本部としています。彼らはゾンビカーで安全に動いて食品倉庫を見つけて占拠しました。中にゾンビがいれば排除しています。そしてバスなどを横付けして入り口を塞いで二階に寝泊まりします。一階はガレージで車両整備に使っています。モヒカンらはゾンビカーを所有しているので各地から食糧を運び込むこともできたはずです。しかしそれは大変リスクがあり屋内でゾンビとの戦闘になることも予想できます。ですからこの先、本部の食糧が少なくなればこの場所を放棄して新たな食品倉庫を探しに行きます。モヒカンは遊牧民のような形で生活拠点を変えることにより戦闘と食糧不足を回避するのです。

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