第12話 耐性

赤ちゃんに蛇(へび)を見せると本能的に怖がるという話を聞いたことがあります。蛇が危険生物である知識が無い赤子も本能で察知するわけです。人間は死臭を本能的に嫌がるとも聞きます。死臭がすればその場所が危険である可能性が高いというわけです。危険地帯から逃げるために人間は死臭を嫌がる初期設定になっていると思われます。ゾンビスーツはとてつもなく嫌な焼きナッツ臭がするらしいですよ。作者によれば。それはそれは死臭と焦げたナッツ臭の最悪のハーモニーにより何倍もの嫌な匂いらしいです。想像を超えるこの匂いを苦としない性質がスーツへの耐性ということになります。


初めはゾンビスーツのアイディアだけ思いつけば誰でも装着可能かもしれないと思いました。しかし、それでは軍隊や警察などがスーツを量産して組織を維持してしまいます。一般人でも情報さえあればゾンビスーツを作って皆がウロウロしてしまうのです。もしそんなことになれば主人公の特異性が無くなってしまうと思いました。

ゾンビだらけの無人の街を、さまよう。

孤独に、さまよい続けるのが、よしお。

ゾンビスーツ・よしおなのです。


ゾンビスーツを着ることにどれだけ耐えられるかは二つの要素から構成されています。まずは強烈な焼きナッツ臭プラス死臭を我慢できるかです。次にゾンビの皮を着ているという心理的ストレスに耐えられるかです。主人公のよしおは、この二つがガバガバになっており耐性がありました。偶然ですが耐性があったのです。ゾンビパニックにならなければ全く無意味な特技が隠れていたことになります。これはステイホームにならなければ引きこもり適性がプラスに働くこともなかったのにという感じにも似ています。次回はゾンビカーについてです。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る