第11話 夢

11話は書いた時のことが思い出せないのですが、強烈に書きたかったから書いたという印象が残っています。今回は主人公が破れたゾンビスーツをカバーするため尻を引きづって簡易キャンプにたどりついて眠っただけです。ですから本来はカットするエピソードです。よしお特有のスピード感もドキドキ感も疾走感も得られないのですから、やはりカットすべきなのです。しかし11話は書きたくて書いてしまったというシェフのワガママ料理です。


今思えば主人公がゾンビのアウトブレイク当時を正確に回想するシーンを描きたかっただけとも思えます。とはいえ、よしおは家にずっとKOMOっていたのですから外の様子は見ていないはずです。ネットやテレビは早い段階で見られなくなりそのあと数週間は自宅で外の様子を聞いていたことになります。頼れるのは耳からの情報で火事になっているのに消防車の音が聞こえないということから推測をする感じにもなります。


ゾンビパニックが起こり、ネット情報や耳からの近所の情報だけでもそれは大変なストレスとなるはずです。食糧は残り少なく買い出しも危険な状況です。それは主人公も分かっていてストレスを感じています。人間はストレスを受けると眠りが浅くなると聞いたことがあります。眠りが浅いと記憶を再現しただけの夢を見るという設定にしました。現実の出来事を睡眠中に処理するだけで手いっぱいなのです。とても子供の頃の記憶を改変したファンタジー作品など夢では上映されなくなるというわけです。災害時に夢が変容しているというのは執筆中は怖いと思われましたが、読んでみるとあまり怖くはないようです。書く前に夢を見過ぎたようです。次回はゾンビスーツへの適性について。

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