第10話 体育座り

ゾンビスーツの耐久性をどのぐらいにするかは思案しました。一年、二年だと物語中にスーツを新調する必要がなくなります。しかしそれでは主人公が無双すぎてつまらないと思いました。一度作ったゾンビスーツを外出する時も寝る時もずっと来ていれば襲われなくなります。もちろん人間に対してはゾンビだと勘違いされる可能性は残りますが安全すぎるのです。せっかくのゾンビ作品ですのでゾンビに襲われるかもしれないという可能性を残したかったというわけです。その結果ゾンビスーツは長くは持たないという耐久性になりました。


最初は耐久性を一週間にしようと考えていました。しかしそれではスーツを新調する期間が短すぎて他のことが出来なくなります。例えば月曜日はゾンビを集めて皮になりそうな大男ゾンビを選びます。火曜日に大男ゾンビを捕えてスーツを作ります。水曜日から食糧探索だとすると週に5日しか動けないことになってしまいます。しかも一週間というのはギリギリ最長の期間ですので破れる前にスーツを新調しとかなければならないのです。ですから安全のため4~5日で一着のゾンビスーツを作る必要があります。そうなると自由に使える時間はもっと短くなるわけです。これではゾンビに襲われる前に過労死してしまいます。


それならばと耐久性を二週間にしてみました。ハードに着て破れる恐れを考慮すれば一週間経過した時点でそろそろスーツづくりを始めれば間に合うわけです。いくら大男ゾンビを厳選したとしても一週間も街をうろつけば一人ぐらいスーツ用ゾンビが見つかるはずです。執筆時はそのようなことをぼんやり考えていただけですが、このあとしばらくして潜伏期間が二週間という情報もチラホラ出てきて「やべえ。」とか「怖ええ。」とか「追いかけてくんなよ。」と恐怖したわけです。次回はゾンビ発生当時のことについてです。

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