第6話 尖った棒

男子中学生との室内戦を想定しましたが主人公が紙一重で助かった感じにしたかったことを覚えています。相手はフラフラの中学生ですからファーストアタックで全力攻撃してくるのが良いと思いました。そして尖った棒は主人公の顔の横に刺さるのです。もし顔に刺さっていれば感染して終わりでした。スリリングなシーンとしてはそれで良いのですが矛盾も感じています。なぜ中学生がゾンビスーツの胸を刺してきたのかです。よしおも作中で指摘していますがゾンビを仕留めるなら首か頭しかないのです。私の言い訳としては中学生が餓死寸前でフラフラのため棒を刺す位置が下がってしまったということです。


今回の中学生は完全によしおのことをゾンビだと勘違いをしています。まさかゾンビ皮を着ているとは思わないはずです。ゾンビスーツの良い点はゾンビに人間だとバレないことです。しかし人間に対してはゾンビだと思われて攻撃されてしまう弱点があります。それはよしおも分かっているはずです。ならば人間にゾンビだと勘違いされないための工夫はないかと考えてみました。まずは声を出して中に人間がいるとアピることです。しかし分厚い皮を着ているので声がこもって聞こえないのです。少しぐらい声が聞こえてもモゴモゴしているとゾンビのうめき声と思われてしまいます。また遠くからの弓矢などの攻撃には声を出しても届かないのです。私がとても恐れていたのは背後からの一発です。ゾンビに対しては人間は静かに背後から近づいて頭部を攻撃するはずです。そうされると、よしおとて防御できずに死んでしまいます。また死なないまでも怪我をすれば皮の中でゾンビ化してマトリョーシカゾンビになってしまうのです。


声で人間であることを知らせられないのならゼッケンを付けるのはどうだろうと考えました。ゾンビスーツの上からゼッケンをしてそこに「人」と書いておけば人間アピールできるというアイディアです。しかし「人」だけではマークかなと思われてしまいます。そこでゼッケンに「実は人間です」や「中に人間が入っています」と「赤ちゃんが乗っています」風に書いておけば、あおられることもなく安全です。しかしこの場合にも懸念は残ります。それは実はゾンビではないかという疑念が生じることです。いくらゼッケンで人間だと書いてあっても見た目ゾンビなのですから念のため攻撃されてしまいます。例えばある人がゾンビに噛まれて感染したとします。もう自分は長くないことからゼッケンに「人間です」と書いて着ます。そして数時間後にゾンビ化すればゼッケンを付けたゾンビが出来上がるわけです。そんな愉快犯のようなことは誰もしないはずですが念のため攻撃されてしまいます。ゾンビ世界で生き抜くのは甘くないのです。次回はゾンビとホムセンです。


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