第5話 紙帽子

幼稚園のシーンは書き始め当初から明確なイメージがわいていました。暗い幼稚園の室内でゾンビ化した園児と保母さんがピアノのまわりで立っている例のシーンです。そもそもゾンビ映画や海外ドラマでは子供ゾンビがあまり出てこない印象がありました。ゲスト的に子供ゾンビは出演しますが街中の大群ゾロゾロでは子ゾンビの姿は見えないのです。それはエキストラで子供を雇うのに色々と制約があったり子役にゾンビ役をやらせたくない親の気持ちなどがあるのだろうと私は想像しています。ですから子供ゾンビは実際のゾンビパニック時はかなり歩いているはずなのです。とはいえエピソードをこさえるのも大変なので主人公には幼稚園に入ってもらいました。


たとえば夜の墓地に子供が立っていたらホラーです。子供なんだから襲ってきてもワンパンで倒せるはずですがホラーなのです。同様に廃墟に子供用の人形が落ちていたらホラーです。なぜ子供が怖いのかは謎です。しかし子供が墓地に立っていて幽霊ではないことが確定しても親や保護者が先に死んでいるという想像が簡単なわけです。保護者と子供は通常はセットですが、それが欠けているということは何か得体の知れない事件が起きているので怖いとなるわけです。


男の子が持っている尖った棒についてはすぐに決まりました。何か家の中にある金属の棒の先をヤスリなどで尖らせた棒です。これについては納得していますが今考えると変な気もします。包丁やナイフ的な刃物を装備させた方が自然なのです。もしゾンビとの距離を取りたいのなら棒の先に包丁を巻いたり固定すべきです。ここで本作の特徴が出ていると今は感じます。通常ゾンビ物ではゾンビに接近するのは大変危険なのです。頭部をナイフで瞬間的に刺したとしても勢いでガブリされれば終わりです。ゾンビと相討ちでは感染してしまいます。ですから通常はこの男の子のように距離を取るべきです。しかし本作の主人公、よしおはゾンビスーツを着ている限り、噛まれないという設定があります。いくらゾンビに接近してもハグしてもチュッチュしても噛まれないのです。次回はゾンビスーツがゾンビと勘違いされることについて。













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