生配信4 サキサキ親衛隊

「お待たせしました。どうも、今日もゲーム配信! 配信者はお馴染み、Takiチャンネルの滝です」


『きちゃああああ』

『昼配信来た!』

『昼配信、待ってました』


 平日のお昼なのに視聴者率が1000人を超える。めちゃくちゃ嬉しい。


「はい、今日は配信とTwitterでお伝えした通り、サキサキさんとでコラボをします。現在、時刻は12時20分と40分前に配信を開始中」


 言葉通り、サキサキさんとは13時に配信予定。なぜ、俺が配信を早く始めているかを説明する。


「皆さん聞いてください。なぜ、俺が予定よりも早めに配信しているかを。実は昨日の配信終わりにサキサキさんと電話をしたんですよ」


『お説教w』

『ああ、お説教か!」

『お説教とか草』


 コメント欄が賑わっているが、話を進める。


「その電話でサキサキさん『マリオカート8』、今日コラボ配信するゲームなんですけど。その『マリオカート8』では、自分は強いので俺なんかに負けない、みたいなことを言ってきたんですよ」

 

『マリオカート8』とは任天堂が出したレースゲーム。

 マリオやルイージといった『スーパーマリオブラザーズ』に出てくるキャラを扱い、レースするゲーム。


『マリオカート』の1作品目はスーパーファミコンという機種で遊びことができ、今作品の『マリオカート8』は第9作品目のシリーズものだ。


 話を戻そう。


『煽られてて草』

『煽ってて草』

『弱い認定されてる』


「そうなんですよ、煽って来たんですよ! で、流石にこれは負けられない。と思いまして、この40分間『マリオカート8』を練習していこうと思います」


 そう、あの時の煽りは忘れていない。俺を弱い認定したサキサキさんには思い知ってもらう。


『おお!」

『練習!」

『頑張って!』


「リスナーの皆さんには、俺の1人レースを見てもらって、アドバイスをしてください。ちなみに、サキサキさんの『マリオカート8』の配信見た人いる? どれぐらい強いの?」


『はい』『はい』『はい』『はい』

『はい』『見てない』『強いよ』

『つをい』『強い』『そこまで』『強い』


「んー、強いって意見が多いから強い認識でいいかな?」


 俺はサキサキさんのマリカー配信を1度も見たことがないので、どれぐらい上手いのか分からない。だからリスナーさん達に頼る。


 基本分からないことはリスナーさん達に聞けば分かる。たまに嘘を教えられたりするが。


 そういえば、聡太さんも何か言ってたっけ? サキサキさんは弱い、みたいなこと言っていた気がする。でも、あの人自身が上手すぎるから、頼りにならないんだよね。


 そう思いながら、練習を始めていく。


………

……


「さて、13時になりました。サキサキさんから今配信始めたというメッセージが飛んできましたので、合流しようと思います」


 ゲーマー向けの音声通話アプリを使用し、サキサキさんに連絡する。


「もしもし、サキサキさん?」

「はーい、サキサキさんでーす」


『サキサキさん!』

『サキサキさんだ!』

『可愛い』


 リスナーさん達にもサキサキさんの声が届いているようで安心。

 

「そちらは配信始めてますか?」


「始めてます。リスナーさん達にもバッチリ声が届いてますよ」


 俺の声もあちらのリスナーに届いている模様。


「オーケイです。じゃあ、まず初めに自己紹介からしていこうと思います」


「はーい」


『8888888』

『2度目w』

『確かに2度目だわ』


 リスナーの言われて気づく。そういえば2度目だわ。


「どうも、今日もゲーム配信! 配信者はお馴染み、Takiチャンネルの滝です! サキサキさんのリスナーさん、今日一日よろしくです!」


『2度目w』

『変わらない挨拶』

『変えないんじゃないの?』


 リスナーさん達の質問は後でお答えしますのでお待ちを。

 

 コメント欄をちょくちょく見ながら、「お次は」とサキサキさんにバトンタッチする。


「はい、皆さん! 今日一日、私の配信を見て楽しんでいってください。サキサキチャンネルのサキサキです。よろ・しく・ね」


 最後の『ね』がめっちゃ可愛かった。破壊力抜群!


 そう思ったのは俺だけではないようで、俺の配信を見ているリスナーさん達もメロメロ。ほら、コメント欄がやばいことに。


『可愛い』

『可愛い可愛い』

『可愛いね』


 そうだよね、声めっちゃ可愛いよね。でもね、リスナーさん。


「声がめっちゃ可愛いのは聞いた通りだけど、本人もめちゃくちゃ可愛かったよ!」


『マジで!』

『だろうな』

『ってか、会ったことあるかい!』

『マジかよ、殺すぞ』

『滝さん、ずるい。殺そう』


 わお! 殺害コメントが送られてきちゃったよ!


「もう、滝さんたら! あっ、滝さん大変ですよ。コメント欄に滝さんの殺害予告が」


 あちらさんでも俺を殺したい奴がいるようだ。


「大丈夫です。こっちにもいますから」


 俺はそんな脅しには屈しない。


 俺の言葉を聞いたサキサキさんは、リスナーさん達に「めっ、ですよ!」と注意をしていた。


 可愛い。


『可愛い』『可愛い』『可愛い』

『めっ!』

『めっ、ってもっとされたい』


 俺もされたい。


 なんて言っている暇はないので、配信を進めていく。


「ええ、皆さん。今日サキサキさんと一緒にプレイするゲームは、『マリオカート8』です。配信上の注意、守ってもらいたいことについて説明していきます」

 

 説明の内容は簡単。


「まずこの配信は、リスナー参加型の配信となりますので『マリオカート8』をお持ちの方は起動して待っていてください。ルームの方は後で紹介させて頂きます」


「はーい」

『はーい』

『はーい』

『はーい』


 リスナーさん達に混ざって返事している奴がいるが無視しとく。


「次に、「次に?」………多くのリスナーさん達と遊びたいと思っているので、1度レースした人はルームから直ぐに抜けてください」


 いらんところで合いの手してくるな、あの人。


「それとリスナーさん同士の喧嘩はやめて下さい。「やめてね!」またレースに参加しているリスナーさんに対して暴言を吐くのもやめて貰いたいです「貰いたいです!」」


『了解!』

『理解』

『分かりました!』


「最後に「最後に!」配信時間は3時間「3時間!」。レースに参加できないリスナーさん達が出てくるかもしれませんが、ご容赦ください「ください!」。以上が注意事項です「です!」って、合いの手うるせぇ!」


「あははははは。やっぱりいらなかったですかね? 合いの手」


「いらない、いらないよ。1番いらない」


 合いの手は煩かったが、面白くもあった。

 

「しかも、合いの手のテンション。妙に高くて説明中笑いそうになりましたよ」


 笑うのをガマンして説明するのしんどかった。


 サキサキさんってあれよね、動きが子供見たいよね。あっち行ったり、こっち行ったり。止まってられない子供。


「じゃあ「マリカー、マリカー」邪魔しないでくれます⁉︎ ええ、気を取り直して「ふふふっ」ルームの方を「ふふふふふふっ」作っていくんですけど「ふふっ」その、ええっと、薄ら笑いどうにかなりません?」


「ふふふははははは」とサキサキさんは笑い始め、言い訳を始める。


「だって、だって! 1回1回、ちゃんとツッコんでくれるんだもん! だらがるみしても」


「故意かよ! もう、ルーム作っちゃいますよ!」


「あーい」


 ルーム作っている間、連絡アプリ越しに「腹筋痛い」と聞こえてくる。相当、ツボに入ったらしい。


「はい、ルーム作ったんでサキサキさん入ってきて下さい!」


「はーい、んんっと、これかな? ねえ、滝くんこれであってる? 私の画面見て」


 このサキサキさんの発言に、リスナーさん達が騒ぎ始める。


『ええ?』

『何、2人同じ場所にいるの?』

『まさか、え、でも』

『今の発言は?』


「違う違う違う! ねぇ、サキサキさん! 誤解招くようなこと言わないでくださいよ!」


「ええ? 誤解ってなんのこと? ふふふふっ、ちょっと、ふふ、意味があはははは」


 この人、酔ってんのか? 酒入ってんのか?


「ええ、皆さん、サキサキさんの言葉を信じないでください」


 そう言い、俺は使うキャラクターを選ぶ。


 もちろん、俺はクッパだ。


 サキサキさんがルームに入ったことを確認し、ルームIDを同時にリスナーさん達に公開する。


 俺とサキサキさんを含め、12人がルームに集まる。


「じゃあ、このメンバーで行きまーす」


「はーい」

『あーい』

『はーい』


 レース会場を投票し、場所が決まる。


 150ccでドッスン遺跡。


 まあ、ちょっとやりにくい場所ではある。が、


「サキサキさんには勝ちたいですね」


 意気込みをリスナーさん達に、サキサキさんには挑発をする。


 スタート地点に12人が並ぶ。そこで気づく。


「あれ? ピーチ姫多くない?」


 7人近くがピーチ姫やチビピーチ姫。ピーチ姫が過半数を超える。


「どうしたんですか、滝さん? ピーチ姫にトラウマでもあるんですか?」


 クッパの横にピーチ姫を操るサキサキさんがいる。こいつ、まさか!


「あっ! そういえば、滝さんはピーチ姫に4連敗してましたね? 今日はピーチ姫に何回負けるんですかねぇ?」


 あの動画を見たのか。でも、今は、


「ピーチ姫よりサキサキさんに勝つことが目標ですから。煽ったこと覚えてろよ」


 ジュゲムがスタートの合図を送る。


 3


 まだエンジンを蒸す奴はいない。


 2


 スタートダッシュが肝心なのは、前のマリカーでも同じだった。


 1


 全員がエンジンを蒸している。そして、


 0


 誰もスタートダッシュを失敗することなく、レースが始まる。


 ほとんどの者が成功したため、レースの順位はほとんど変わらない。

 ここからが腕の見せ所。


 練習した成果を見せる時である。


 ドリフトや相手への体当たり、アイテムの使い所、インコースの強気な攻め。たった数十秒で俺の順位は4位へと上がっていき、目の前には3人。


 だが、まだ3分の1。油断は禁物だ。


 1周目が終わり、2周目へと入る。


 後続とは少し差がある。この差を詰められることなく、ゴールまで持っていきたい。


 ところで、サキサキさんはどこにいるのだろう?


 前にピーチ姫が2人。後ろには5人いる。どっちにサキサキさんがいるのだろうか。


「ちょ、ちょっと邪魔しないで! お願いだから」


 うん、これは後ろのいるな。ちょっと煽ってみるか?


「サキサキさん、今何位ですか? 俺はちなみに10位なんですけど」


 もちろん嘘。


「ははははは、10位とか。私は今6位ですよ。私に勝つんじゃないんですか?」


 うん、信じ込んでしまったらしい。マップを見れば分かることなのだが。


 話しているうちに、2位へと順位を上げ、最終ラップを走る。


 1位とのタイマン。3位とは結構差がある。


 集中。


『1位目指そう!』

『行けるぞ』

『頑張れ』


 横目でコメントを読み、元気をもらう。


 アイテムを取り、赤甲羅を手にする。


 あと少しでゴール。ここで俺は赤甲羅を1位に投げつける。


 そして1位を抜き去り、そのままゴール。


「よっしゃ!」


 リスナーさん達とサキサキさんには見えていないが、俺はガッツポーズをする。


 続々と後続がゴールしていき、1レース目が終わる。


 1位俺、6位サキサキさん。


「………おい、こら」


 どうやら気づいたようだ。


「なんですか、サキサキさん? あ、サキサキさん6位でしたか、おめでとうございます。やっぱり上手い人は違いますね」


「こ、こいつ。1位なんぞ取りおって。んん? はああ!」


 なんだ、6位が吠えてるぞ? なんかあったのか?


「ねぇ、今リスナーさんから聞いたんだけど、私との配信前にマリカー練習したって本当?」


「………さあ、次のレースへといきましょう!」


「こいつ練習してやがった! ズルだ、不正だ」


 サキサキさんが負け惜しみを言っているが、2レース目が始まる。


2レース目

「サキサキさん、お疲れ様でした。4位でゴールです」

「むきー、ムカつく! 私はまた6位ですよ」


3レース目

「あれ、滝さんが前にいませんね。ああ、そうか、私1位でした!」

「これでも食らえ。10位からのプレゼント。青甲羅」

「いやああああ!」


4レース目

「後ろつかないでください。セクハラですよ!」

「いいんですか、そんな口聞いて。緑甲羅3つ投げつけますよ?」

「ごめんなさい。投げないでください」


5レース目

「赤甲羅を3つ。前には滝さん。投げるしかありません」

「やめてね、やめええええ、あああああ!」

「お先にゴールです。2位、いええええい!」


6レース目

「え、何このサキサキ親衛隊って」

「私の親衛隊ですよ。非公式の」

「認定してあげないんですか」


 そして7レース目。ここから俺の地獄が始まる。サキサキ親衛隊によって。


「見て見て、滝くん! 私達以外全員、親衛隊」


「何か嫌な予感がする」


 ジュゲムの合図でレースが始まる。周りを見ると俺以外全員ピーチ姫。


「全員ピーチ姫! 親衛隊の諸君、クッパを倒すのだ!」


 サキサキさんの言葉がまさか現実になるとは思いもしなかった。


 スタートダッシュ直後から親衛隊の妨害が始まる。


「よし、スタートダッシュ成功ええ!」


 スタートダッシュしたクッパに向かって突撃してくるピーチ姫の集団。


 というか、クッパの進行方向にピーチ姫数人がいる。


「邪魔邪魔! 退いてください!」


 断るごとに、妨害してくるピーチ姫の集団。今俺は、7位といい順位なのだが。目の前にピーチ姫5人。1位のピーチ姫だけぶっちぎりで進んでいて、独走状態。


「まじで、邪魔!」


『これは囲まれてるな』

『ピーチ姫の集団にやられるクッパ」

『影武者つよ』


 後ろから赤甲羅を3つ持っている奴が待機していたり、スターを片手に持っている奴がいる。


「前に進めない。執拗に攻撃してくんな」


 ピーチ姫の集団を抜けようと走り出すたびに、スターで辺りに来る奴がいる。


「この当たり屋、嫌だ!」


 起き上がり走り出そうとすると、複数の甲羅に襲われる。


「嫌だわ、これ! 泣きそう!」


『うわ』

『やばい』

『1周差ついた』


「まじで!」


 マップを見ると、俺の横を抜け、独走するピーチ姫がいた。


「そこで何してるの? ゴールしちゃうよ?」


「助けてください、サキサキさん! こいつらに真面目に走るように言ってください!」


 走り続けるサキサキさん。1位は確実。確実になったところで、


「みんな、解散。いつも通り走っていいよ!」


 そう言われ、俺に甲羅を当ててからピーチの集団は進み出す。


 俺は今ビリだ。


「これはエゲツないレースだ」


『草』『草』『草』『草』

『サキサキさんの力、やば』

『もう族だよ、これ』


「さあ、最終ラップ! 気持ちよくゴールするぜ!」


 俺の横を抜き去り、これで2周差。このレースは諦め、鬱憤をサキサキさんに晴らす。


 俺は無言でサキサキさんの後ろにつく。


「後ろにいるのは滝くんではないですか? 2周差ですよね。もう負けは決定ですね」


 このレースが始まったあたりから俺を君付けで呼ぶサキサキさん。まあ、親しくなった感じで嬉しい。


「ふふ、今更アイテム取ったところで………その、あの、赤甲羅をどうするつもりですか?」


 何を言ってるんですかね、サキサキさんは。アイテムは使うためにあるんですよ。


 1発目発射。


「ちょ、ちょっと無言で投げるのやめて下さい」


 俺はブレーキを踏み、サキサキさんの後ろに居座る。


 サキサキさんが動き出し、俺もアクセルを踏む。


 そして、2発目発射。

 

「痛い、痛いです! やめて下さい、鬱憤を私にぶつけるのはやめて」


 何を言ってるか、俺は分かりません。理解ができません。


 前を走るあなたが悪いんですよ。ほら、また性懲りもなく前を走る。


 3発目発射。


「きやあああああ。嫌だ、ネチネチ攻撃してくる!」


 うるせい、まだ俺のアイテムは終わりじゃない!


 前のサキサキさんの後ろピッタリにつき、キラーを使う。


 べちょ。


 ピーチが潰れる。


「キャあああああああああ!」

「ざまああああああああああああ!」


 お互い音割れがするような声で叫ぶ。


 バン、バン!


 どこかの誰かさんが台を叩いているが、知らん。俺は普通にレースへと戻る。


 もちろん、俺はビリのままゴール。でも鬱憤は晴らせた。


 一応こんなことが今後行われないように、リスナーさん達に注意をし、レースを続ける。


 そして、配信開始から3時間経ち、ルームを解体する。


「はあ、いい勝負できましたね。勝率は5分5分ってところですかね」


「そういうことにしてあげます」


『いや、結構滝さんが勝ってたぞ』

『勝率は6:4だった』

『まあ、いいじゃね』


 いいんですよ、5分5分で。


「あれ、俺に負けないって言ってた人がいた気がしたんですけどね?」


「………そんな人は存在しません」


「そうでしたね。俺の気のせいでした。あはははははは、ああいいレースだったな」


「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬ」


 悔しがっているようで、気分がいい。


『鬼畜』

『サディスト』

『変態』


「誰が変態じゃ!」


 リスナーさんにツッコミを入れ、配信を締める。


「そろそろ終わりの時間です。サキサキさんとのコラボはまだ夜に続きます。ね、サキサキさん?」


「はい、そうです! 夜23の配信は『PUBG』をやっていきたいと思います。滝さんに教えてもらいながら、FPSの練習をしていきます」


『おお!』

『FPSか』

『面白そう』


 リスナーさん達の反応は良好。夜配信も見に来てくれるな。


「「では、夜にまたお会いしましょう。それではバイバイ」」


 打ち合わせで決めていた締め括りの言葉で、配信を終わらす。


 配信は終わったが、通話アプリは切っていないため、佐々木さんとは繋がっている。


「お疲れ様です、滝く、滝田さん」


「お疲れ様です、佐々木さん。もし良かったらなんですけど、そのまま『滝くん』って呼んでください」


 佐々木さんが呼びやすいように、こちらから提案してあげる。

 多分だが、滝くん呼びは、素なんだろう。配信の最後の方は、滝くんって呼んでいたし。今更、苗字呼びにさん付けで呼ばれてもね。

 

「そ、そうですか。じゃあ、仕方ありませんね。滝くんのお願いを聞いてあげましょう!」


「じゃあ、やっぱいいです。滝田さんって呼んでください」


「ええ!」


 なんでこの人はマウントを取りたがるんだろう。ここは普通にありがとうって言えばいいのに。もしかして照れ隠しか?


「た、滝田さんかぁ」


 アプリが佐々木さんの声を拾い、俺に聞かせる。


 面白い人だな。


「嘘ですよ。滝くんって呼んでください」


 そう言って、タバコを1本取り、火をつける。


「じゃあ、滝くんって呼んであげます!」


 嬉しそうな声をする佐々木さんに、夜配信の話を持ちかける。


 夜も楽しくできればいいな。



 

 

 

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