ナオミのお誘い
俺の姿は、また『バーニ・ミサキ』の体に変わっていた。
カプセルを服用することによりバーニに変身する。
もちろん、不本意ではあるが、やはり女の姿であった。 変身した自分の姿が美しすぎて呆れるほどだ。バーニに変身した俺達は、ビルの屋上から屋上へジャンプを繰り返していた。飛び回りながら、眼下の人混みを眺めている。 楽しそうにアベック達が歩いている。
今日は、直美さんと一緒にデートに行く約束をしていたのだが、この任務のせいでおじゃんになってしまった。
デート。それは、彼女からのお誘いであった。
俺は、学校の宿題をする為、部屋にこもっている。
いつの間にか、夕飯は皆で食べるという決まりが出来たそうだ。 ご丁寧に、マンションの中に、皆で食事が出来る食堂のスペースまで作られていた。
毎回の、食事当番をくじ引きで決めるのであるが・・・・・・、かなりの頻度で俺に当たる。 当たる。 当たる。 くじを引くたびに、睦美さんが不自然な笑いを浮かべる。 きっと細工されているに違いないと、俺は確信していた。とにかく、食事の準備までに、宿題を終わらせないと勉強をする暇もあったものではない。
「よし、もう少しだ・・・・・・」今日は集中力が良く、順調に宿題が消化していく。
部屋のドアがノックされる。「ちょっと、いいですか?」直美さんの声がする。
「どうぞ・・・・・・」部屋のドアがゆっくりと開く。 直美さんが部屋の中に入ると、ドアを閉めた。
「直美さん・・・・・・、どうしたんですか?」俺は、なぜか生唾を飲んだ。 少し前であれば、直美さんと二人きりで、俺の部屋の中にいるなど想像すら出来なかった。
「あの・・・・・・、岬樹さん、今度の日曜日に、一緒に出かけませんか?」直美さんは、少し顔を赤らめてモジモジしながら言った。
「えっ、俺とですか・・・・・・?」
「はい、見たい映画があるのですが、一緒に行ってもらえる人がいなくて・・・・・・」直美さんは恥ずかしそうしている。
「構わないですけど、俺でいいのですか?」
「はい、睦美さんにも聞いたのですが、見たくないって言われて・・・・・・」直美さんは、言いながら映画の前売り券を差し出した。
「へー、睦美さんは映画が嫌いなんですかね。 で、なんの映画ですか?」俺は直美さんの手から映画のチケットを受け取り、映画のタイトルを確認した。
それを見て、睦美さんが断った訳が解ったような気がした。
「驚愕! 食人族の逆襲・・・・・・・」俺は氷のように固まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます