初めての・・・・・・。

 ナオミと俺は、真っ赤なオートバイで指定された場所へと向かっていた。


 俺はナオミの後部座席で、彼女の腰に手を回し振り落とされないようにしがみ付いている。

 女の子の体にしがみつくなんて、生まれて初めての経験だ。 柔らかい体に、とても心地の良い香り・・・・・・、俺は頭がボーッとして振り落とされそうになる。


 極秘開発されていた自国製の戦闘機が、消息を絶ったとの連絡があった。その訓練も極秘で行われていた為、報道も制限されているそうだ。

 公での調査もままならない為、「バーニ」達への捜索依頼が舞い込んできた。

 消息を絶ったのは富士の樹海の辺り、近くの住民からは大きな光の玉の目撃報告と、爆音を聞いたとの通報があった。その情報源をイツイが片っ端から訪問して記憶の消去に当たっているそうだ。

 樹海が見渡せる少し小高い丘に到着すると、ナオミは、フルフェイスのヘルメットのシールドを上げて現場の様子を窺う為に目を凝らした。 

 気持ちを集中し樹海全体を見渡している。  俺はオートバイから飛び降りて地に足を着けた。ナオミの乱暴な運転により、目の前が少しクラクラした。

 静まり返った森の中に、その気配を感じる事が俺には出来なかった。

「あの辺りのようね・・・・・・?」ナオミは、遠くの一点に視線を向けていた。

「えっ、どれ……」ナオミが見つめる方向を目を凝らして見るがやはり、俺には確認することが出来なかった。同じバーニであっても、能力に違いがあるようである。

「あっ、あそこよ」ナオミが何かを発見したように叫んだ。 よく見えるものだと感心するが、そういえばバーニの力により、視力、聴力、嗅覚も常人離れした能力を発揮すると説明をうけた。しかし、それほどの能力は俺には備わっていないようである。

 ナオミの説明では、そこには・・・・・・数人の男達の姿が目に映ったそうだ。


「何者なのかしら?」事故現場には、俺達よりも早く駆け付けたものがいるようである。


俺は、ナオミの動向を確認した。

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