第12話 死ねない冒険者はクリスと戦う1

俺は上の階から降りてきたこの町のギルドマスターのクリスと顔を合わせていた。 その顔にはでかい傷が出来ており、体型も良くとても数年前に引退したとは思えなかった。


「こんな事をしてしまったら僕も君を倒さなくちゃいけないじゃないか。 せっかく君達をここまで育てたのにね」


「よく言うぜ。 俺が冒険者になってからは他のやつに俺に暴行を加えるよう命令してたくせにな」


俺は15になるまで育ててくれた隣人ていうのはこのクリスの事で現役の頃俺の親父が助けてくれた恩返しらしい。 だが俺が冒険者になると冒険者に暴行を加えるように指示した人でもある。 なぜ俺がこの事を知ってるかと言うと、昔ボコボコにされた後冒険者がそう言っていたからだ。


「へぇ〜、知っていたのですか。 そうですよ私がやるように言っていましたよ。 私は君の親父さんが憧れだった。 だがたった一人の女のせいで彼は引退してしまった。 そんなの許せるわけないでしょう。 彼は死にあなたを育てましたが段々と貴方の父親に似てくるのが鬱陶しかった。 だからですよ。 ついでにあの家を燃やすように言ったのも私です」


「・・・・・狂ってるな。 俺が親父に似てきたから暴行を加えるように言っただと? ああ、もういい。 お前を殺さないと気が済まない。 覚悟しろ」


俺は自分がそんな理由で今まで暴行されてた事に怒りを感じた。 俺はエクスカリバーを抜き、構えた。 クリスも同様剣を出し、俺に剣の先を向けた。


「生きて帰ってきた事を後悔させてあげましょう」


「そっちこそ苦しませながら殺してやるよ」


俺たちは同時に走り出し、剣を交えた。 俺は油断するとやられる事は感覚が言っているので身体能力強化を使いながら戦った。


カキンっと剣が何度も交わるがどちらも体には傷を付けられずにいた。


(スピードは互角、パワーも互角、これじゃキリがない! ならば!)

(ふむ。 スピード、パワーも互角のようですね。 ならば!)


((もっと力を出すしかねぇ(ですね!))


俺たちは互いに一歩下がり、互いに目を離さないように立ち止まった。


「やりますね。 ならば私も少し本気を出すとしましょうか!」


「そっちこそな。 俺も少し力を出すとするか!」


クリスは剣を片手で持ち、魔導書を出した。 一方俺はエクスカリバーを片手で持ちバチバチと片手を光らせた。


「! それはまさか狩人の!」


「ああ、その通りだ! 来い! グラム!」


次の瞬間辺りが闇に覆われ、闇は一つの剣へと形が変わった。 俺が狩人から教わったのは武道だけではない。 狩人が使っていた腕をバチバチ光らせ武器を出す魔術である『幻像魔術』を覚えたのだ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

幻像魔術・・・自分がもしくは他人が見た事、存在を知っていればその武器を武器として召喚できる。 だが使えば使うほど自分の寿命が減る

*ジャックは元々死なない為寿命が減っても生き返れます


魔剣グラム・・・かつて竜殺しの剣と言われたがその剣が魔の物に渡った時この剣は竜殺しではなく生物を殺すための剣へと成り変わった。 別名破滅の剣

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


俺は二つの剣を持ち構えた。


「さぁ! 第二ラウンドと行こうか!」


「く! 望む所ですよ! 来なさい!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る