第30話 フィリピン散策5
フィリピンでは恋人や夫婦が外で食事をするとき,テーブル席では必ず隣同士に座るという習慣があります。これがフィリピーナに対するラブなのです。日本では対面で座るのが習慣です。
フィリピーナが男と隣り合って座っていたら,その二人は夫婦ないし恋人同士であってそれ以外の関係ではありません。要は,その二人ができていると世間にアナウンスしているのです。だから,オヤジがフィリピーナを対面に座らせたとしたら,そのフィリピーナは「あなたは私のことを愛していないのだ」と思って距離をおくでしょう。逆にフィリピーナが対面に座ったとしたら,「私はあなたの恋人ではありません」という宣言です。
「なぜ恋人同士が隣に座るのか。」とフィリピーナに質問してもあまりに当たり前なので答えが返ってきません。おそらく対面では距離があって,スキンシップをはかることができず,ひそひそと愛を語り合うこともできないということなのでしょう。隣に座って相手の身体に触れるのが恋人同士の距離感なのでしょう。
ということは,集団で会食をするとき,やたら異性の隣に座ってはいけないということになります。そこは恋人の指定席なので,恋人でもないオヤジが座ったとしたら,フィリピーナは「この人が恋人だ」と周囲に宣言することになってとても恥ずかしい思いをするのです。もし傍に本命のボーイフレンドがいたら,後で喧嘩になるのは目に見えています。それが友人のガールフレンドだとしたら,彼らとオヤジとの関係も終了です。なぜ友人関係が壊れてしまったのか疑問に感じたら,そんなへまをやらかしていたのかもしれません。
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