第13話 南の島からの迷惑メール
ある日,日本全国のフィリピーナ大好きオヤジに対して正体不明のメールが送信された。
差出人欄:「南の島から」
件 名:「こんなピーナと付き合うな。」
宛 先:「フィリピーナを愛するオヤジたちへ」
とある。
ライン等SNSに対しても同様のメッセージが送られた。
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フィリピーナとのおつきあいにお悩みのオッサン,じいさんに対して,フィリピーナとの離婚経過者として,「こんなピーナと付き合うな。」とアドバイスいたします。
まず,本国,例えばマニラのKTV(フィリピンのカラオケキャバクラ)とか,日本のピンパブで働くフィリピーナです。
彼女たちだって水商売などしたくないんです。ファミリーのため,ゴッドマザーの指令により,仕方なく働いているのです。嫌だと言って泣く娘さえ送り出すゴッドマザーもいます。そうだからこそ,客を喜ばせて同伴や指名,ドリンクをねだるのです。ノルマを達成して歩合給を稼がなければ,収入はデパートガールと変わらないからです。
とはいえ,彼女たちも外国人と結婚したいと本心は思ってます。でもそれは何よりもファミリーのためであって,自分自身のためだけではありません。彼女らのファミリーが貧困から抜け出すためには,外国人と結婚するしか方法がないのです。それはフィリピン人が世界中に出稼ぎに行くのと同じです。本国では人間らしい生活をするための金を稼ぐことができないのです。
日本のオッサンは愛を求め,フィリピーナならそれを与えてくれるのではないかと期待しています。しかし,フィリピーナから愛が与えられるとしたら,それはマネーを供給しているうちだけです。マネーサプライが途絶えると愛も途絶えます。彼女たちが日本に来てピンパブで働いている理由を考えれば当然のことです。浪花節はフィリピンにはありません。
先進国である限り,この世界に20代の若い女が,たとえシングルマザーであろうと,50歳のオッサン,60歳ましてや70の歳じいさんと結婚したがりますか。そんなことはありえません。オッサンやじいさんは自分に対する愛を感じているのでしょうが,無知であるか,そうでなければ既に痴呆状態です。彼女らはオッサンやじいさんのマネーを愛しているのであって,オッサンやじいさん自体を愛しているのではありません。
それも生存本能に基づく正当な行動だと私は思います。愛で飯は食えませんから。綺麗事など言う歳ではありません。
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長女もダメです。水商売をしていなくてもです。長女はファミリーを養う全責任を負います。本国では,貧困層に生まれた男子は大学に行くことなどできず,日当1000円を稼ぐのが限界です。そのため娘に期待が集まり,まず長女が生活の責任を負わされるのです。現実にファミリーを養うだけの収入があるかどうかは無関係です。KTV嬢とかジャパゆきさんとして働く長女ならなおさらで,それがシングルマザーであるならパーフェクトにダメです。
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長女でなくても,水商売をしていなくても,ファミリーのために金を稼ぐことをファミリーに対する愛だと思い込んでいるフィリピーナもダメです。
その心情には同情しますが,日本人と結婚する理由はファミリーに送金するための手段でもあるのです。決してオッサンとの幸せな暮らしのためだけではありません。
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私が個人的に最もダメだと思うのは,兎にも角にもシングルマザーです。ここでシングルマザーとは3種類のタイプがいます。
一つ目は,もともと結婚していないフィリピーナです。子供は一人だけいます。妊娠した途端,男に逃亡(run away)されたというパターンです。マニラのKTVや日本のピンパブで働くフィリピーナの大半がこのタイプです。
二つ目は,結婚歴があり,離婚をしていないフィリピーナです。フィリピンには離婚制度はなく,婚姻取消しによらなければ婚姻関係を解消することはできませんが,それには高額の弁護士費用が必要であるため放置しているというパターンです。この場合には,複数の子供がいるでしょう。
三つ目は,結婚歴はあるが,離婚(婚姻取消)しているフィリピーナです。このタイプは少数派です。
連子を厭わないオッサンもいますが,他人の子供を我が子と同様に育てられる男などいるのでしょうか。雄の本能はそれを忌み嫌うようにできているので,それを気にしないオッサンはゴッドかもしれません。
ただし,その場合でも本国のファミリーへの送金はゴッドマザーが死ぬまで続けなければなりません。生活保護や年金制度などないのですから。自分の資力に自信があるならともかく,本国のファミリーに生活保護費と年金を送り続けられるとなぜ思えるのでしょう。ピンパブに金持ちの客が来るとは思えません。
金の切れ目は縁の切れ目とは万国共通の真理ですが,フィリピーナの住む国ではあまりに当然です。
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ジャパゆきさんと国際結婚するということの全てが不幸を招くとまでは言いません。ただし,オッサンがフィリピンに住むという条件付です。フィリピーナを日本に呼び寄せてはいけません。
子供をつくらなければまだ救いようがありますが,子供をつくるとしたら,フィリピーナは,その子供を母親としてどのように教育できるのですか。育児を放棄して本国のゴッドマザーに任せるということまではしないにしても,日本のルールやマナーも日本人の多数派の考え方も知らず,学校からの連絡文書も読めない母親がどのようにして日本式の教育をすることができるのでしょう。その子供は,日本社会の少数派とならざるをえず,かわいそうです。これは私の経験です。
日本のオッサンは都合よすぎます。大した金も持っていないのに,本国のファミリーにどれほど金がかかるのかも知らず,まるでピンパブの料金のような感覚しかないのではないでしょうか。えー歳こいて緩すぎます。
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フィリピーナとの国際結婚がうまくいくとしたら,日本のファミリーとのしがらみがないオッサン,じいさんだけでしょう。妻子にも両親にも不義理をすることなく,死ぬまでフィリピンで生活できるだけの資金力がある男です。物価の違いを考えると,それなりの年金さえあれば,大金は無用です。
ジャパゆきさんと結婚するなら,その彼女の本国のファミリーの生活を丸抱えする覚悟がないと結婚は破綻します。「私を愛するなら私が愛するファミリーを愛せよ」というのが彼女たちの教えだからです。
オッサンにもその気持ちはあるでしょうが,それでは足りず,フィリピンスタイルに宗旨替えしなければなりません。そうしたとしても,フィリピーナから供給される愛は,本国のファミリーに対するマネーサプライ次第なのです。それも無限です。
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私のアドバイスにもかかわらず,どうしてもジャパゆきさんと結婚したいというなら,その前に本国のファミリーに会いに行くべきです。短期間ではいけません。ある程度長くファミリーのハウスに滞在して観察すべきです。
何人の家族が住んでいるのか,仕事をしているのか,日本に送り出した娘にどの程度依存しているのかなどをチェックすべきです。特にゴッドマザーが結婚後にどの程度のサポートを期待しているのかの確認が重要です。もっともそれは無限大ですから,確認しても意味はありませんけど。
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フィリピーナを愛したオヤジ様のメールアドレスは,私が「虎の穴」という組織のホストコンピュータをハッキングして入手しました。「虎の穴」では,皆様がフィリピーナに教えたメールアドレス,携帯番号,ラインID等全ての個人情報を収集しています。
フィリピーナから,「I miss you.」「 Hello!」「 Hi!」「 How are you?」などのメッセージが送信されているとすれば,それは虎の穴があなたのお気に入りのフィリピーナになりすまして送信しています。「Ohayo」「 konbanwa」などのローマ字による片言日本語のメッセージも然りです。
虎の穴では,現在AIを利用してあなたとフィリピーナとが日本語でメッセージを送受信できるシステムを開発中です。将来はあなたのお気に入りのフィリピーナの声であなたに電話して会話するシステムも開発中です。
現在は,「オトーサン/シャッキン,オカーサン/ビョーキ,ワタシ/カワイソー,プリーズ/ヘルプミー」などという稚拙なレベルですが,もはや過去の膨大なデータを入力済みであり,365日24時間深層学習をさせているため,近い将来ボキャブラリーの乏しいフィリピーナを凌駕する会話をさせることができるようになります。
どうか組織の罠にハマることのないようピンパプのご利用は計画的になされるようお願い申し上げます。
なお、このアドレスは送信専用ではありませんので、フィリピーナとのおつきあい(結婚を含む)にお悩みでしたら、ご遠慮なくこのアドレスに返信メールをお送りください。可能な限り回答を送らせていただきます。
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