登場人物紹介(9)

[クリスライド・ミスト]

 男、十四歳。

 ミスト王国の第四王子なのだが、既に死亡した母親が下級貴族出身で後ろ盾が無かった事から王宮ではいない者として扱われ、早いうちに辺境の領地を与えられてそこに送られた。しかし領地で前文明の遺跡が見つかり、発掘作業の指揮を取っていた時に遺跡の奥でグレドプテラを発見して、そのまま操縦士となった。

 グレドプテラはフランメ王国のあるゴーレムトルーパーを含めても世界に二機しかない空を飛べるゴーレムトルーパーで、それの操縦士となったクリスライドは再び王宮に呼び戻され、彼の扱いは一変した。

 王族を含めた王宮の人間達は、グレドプテラという大きな力を得たクリスライドに取り入ろうと猫撫で声で話しかけながら彼にすり寄ってきた。しかし「相手の嘘を見抜く」異能を持つクリスライドは、自分に近づいてくる者達が嘘しか言わないことに絶望してその性格を歪ませる。

 一時は自分とグレドプテラしか信じず自分の力を誇示することに固執する性格となったクリスライドは、自分と似たような状況のサイと出会ったことで元の性格に戻り、更にサーシャに一目惚れしたことによりミスト王国を捨ててフランメ王国に亡命することを決める。


[クロエ・ビショップ]

 女、二十一歳。

 クリスライドの副官。

 元々はクリスライドの母親の親戚である下級貴族の娘で、辺境の領地を治める彼の補佐をする為についた秘書であった。だがクリスライドがゴーレムトルーパーの操縦士となり、軍人となると王宮からの命令を受けてそのまま彼女も軍人となって彼の副官となった。

 しかし暗黒領域での破壊行為の任務中にクリスライドがサイ達に敗れ捕虜になると、情報の漏洩を恐れたミスト王国に暗殺されそうになり、これをきっかけにクリスライドと他の部下と一緒にフランメ王国に亡命した。そして現在はサイの屋敷に居候している。

 クリスライドのことは放っておけない弟のように思っていて、彼の副官になったのは王宮からの命令もあるが自分の意思でもあった。


[ノルド・クーロニス]

 男、六十一歳。

 ミスト王国の将軍で、ミスト王国に二機しかないゴーレムトルーパーの一機の操縦士。

 十代の頃に祖父からゴーレムトルーパーを引き継いでから常に最前線で戦っており、その戦いぶりは主に戦っていたアイゼン王国やスチム公国以外の国にも知られている。

 先王の頃からスチム公国に仕えており、その忠誠心は比類無いものであった。だがクリストミスの度重なる無茶な政策やスチム公国への戦闘行為、そして今回のフランメ王国、アックア公国、アイゼン王国、ソル帝国の四ヵ国へ徹底抗戦という無茶な発言からついに反旗を翻した。


[クリストミス・ミスト]

 男、五十二歳

 ミスト王国の国王でクリスライドの父親。

 二十年ほど昔にゴーレムトルーパーを引き継いで操縦士となったのだが、実戦は全てノルドに任せていたので実戦経験は全く無い。

 非常に傲慢で意固地な性格をしており、無茶な政策や戦いを何度も繰り返し、ついには先王の時代からの忠臣であるノルドに反旗を翻された。

 クリスライドのことは息子とは思っておらず、単なる「駒」としか見ていなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る