登場人物紹介(8)

[クリスライド・フォス・ミスト]

 男、十五歳。

 ミスト王国の第四王子であり、ドランノーガに続く空を飛ぶゴーレムトルーパー、グレドプテラの操縦士。

 王子と言っても側室の子供な上に母親が下級貴族の出身であった為、宮廷内での権力や後ろ盾が全くなく、早々とミスト王国の辺境に押し込められて幼少の頃から飼い殺しの日々を送っていた。

 しかし今から半年程前、自分が治める土地で前文明の遺跡が発見され、その陣頭指揮をとっていたクリスライドは、遺跡の最深部でグレドプテラを発見した。そしてそのまま彼はグレドプテラの操縦士となり、これによってクリスライドの人生は大きく変わることとなった。

 ゴーレムトルーパーはそれだけで国同士のパワーバランスに大きな影響を与える戦力な上、グレドプテラはフランメ王国に新たに現れたゴーレムトルーパー、ドランノーガと同様に空を飛び、上空から一方的に地上の敵を攻撃する機能を持っていた。それを知った国王を含めたミスト王国の人間達はクリスライドを中央に呼び戻し、彼を褒め称えた。

 今まで自分を冷遇し、いないものと扱っていた者達が掌を返したように褒め称えてくるのを見たクリスライドは、ゴーレムトルーパーという強大な力を手に入れたこともあって「自分が選ばれた存在」だと考えるようになった。

 グレドプテラを見つける前は非常に大人しく口数の少ない正確だったが、グレドプテラを見つけてからは自分のやる事は全て正しく自分にできない事は無いと考える傲慢で自信家な性格となった。

 クリスライドにとってグレドプテラは自分の半身……いや、心を支える全てであり、彼にとってグレドプテラは世界最高のゴーレムトルーパーでなけれならなかった。その為、グレドプテラ以外に空を飛べるドランノーガの存在はとても許せるものではなく、ドランノーガの存在を知ったクリスライドは本国からの命令を無視してドランノーガに戦いを挑んだのだった。


[クロエ・キローニッド]


 女、二十二歳。

 クリスライドの副官。

 クリスライドの母親の実家に連なる貴族の家の出身で、クリスライドとは親戚にあたる。

 元々は辺境に押し込められたクリスライドの秘書であったが、彼がグレドプテラを発見してミスト王国の軍人となると、ミスト王国はクリスライドの補佐をさせる為に彼女も軍人になるように命令を出した。

 親戚同士であり長い間共に行動していたことからクリスライドが最も信頼している部下。グレドプテラを見つけた事で傲慢な性格になったクリスライドだが、彼女の意見だけは(辛うじてだが)聞く。

 性格が変わってしまったクリスライドに振り回されつつも、彼がそうなってしまった理由を知っているからこそ、文句を言わず彼に従い補佐をしている。

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