四人目の操縦士
サイとジェラードにマリー。アックア公国が提案した合同部隊に参加する三人のゴーレムトルーパーの操縦士達が顔合わせをした日から三日後。
合同部隊に関する会議は無事何事もなく終わり、フランメ王国、アックア公国、アイゼン王国、ソル帝国の四ヶ国による合同部隊が発足されることとなった。
そして合同部隊に選ばれた者達は今、アックア公国の王宮の大広間に集められていた。合同部隊にはサイとジェラードにマリーのゴーレムトルーパーの操縦士以外に、彼らを補佐する人員も含まれていて、その数は五十名を越えており、ピオン達はもちろんクリスナーガやビークポッドの姿も合同部隊の中に見られた。
「皆、集まってくれたようだな」
大広間に集まったサイ達合同部隊の前にバルベルトが現れる。そしてその横にはフランベルク三世も立っていた。
「まずは俺の提案に賛同し、こうして合同部隊に参加してくれたこと感謝する。アックア公国、ソル帝国、フランメ王国、アイゼン王国。この四つの国からゴーレムトルーパーの操縦士を初めとする精鋭が集まった合同部隊ならどんな危険な敵が現れても問題はないと俺は信じている。……さて、今回皆に集まってもらったのは合同部隊に参加するアックア公国の操縦士を紹介するためだ」
『『……………!』』
バルベルトの言葉に合同部隊の面々からざわめきが生じる、それはアックア公国側も同様であった。アックア公国には三人のゴーレムトルーパーの操縦士いるのだが、その誰が合同部隊に参加するかアックア公国の隊員も今まで知らされていなかったからだ。
「入ってこい」
「はい」
『『……………!?』』
バルベルトが呼ぶと一人の女性が大広間に入ってきて、その人物の姿を姿を見た合同部隊の面々はサイを含めて全員例外無く驚き絶句した。
「彼女がアックア公国から合同部隊に参加するゴーレムトルーパーの操縦士、ブリジッタ・アックア」
「ブリジッタ・アックアです。皆さん、よろしくお願いします」
バルベルトに紹介されたアックア公国のゴーレムトルーパーの操縦士、それはサイの婚約者であるブリジッタだった。
「あの巨乳が素晴らしい彼女はサイの婚約者で……アックア公国の公女の……?」
「っ! あの! ブリジッタ様がゴーレムトルーパーの操縦士だったという話は聞いていませんが? 新しくゴーレムトルーパーの操縦士に登録したのですか?」
突然の出来事に呆然と呟くジェラードの声を聞いて我に返ったマリーがバルベルトに聞くと、アックア公国の大公はその質問に頷き答える。
「そうだ。ブリジッタはフランメ王国より譲渡してもらったザウレードの操縦士として登録していて、ザウレードと共に合同部隊に参加する」
『『……………!?』』
自分の娘であるアックア公国の公女を、かつて世界各国を荒らし回った悪名高いゴーレムトルーパーの操縦士にして、合同部隊の四人目の操縦士とするバルベルトの決定に、合同部隊の面々は再び驚きの表情となるのだった。
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