逃げた理由
モンスターが人間等の生き物や他のモンスターを殺して食べる光景はよく見られるが、実のところモンスターは生きるために食事をあまり必要としていない。
本来生物兵器として前文明によって開発されたモンスターは、体内に栄養素を生み出す微生物が生息している他に、植物のように光合成をしたり栄養を無駄なく長期間溜め込む能力を持っている。それによってモンスターは最小限の栄養を摂取するだけで、その身体を維持することができ、モンスターにとって食事とは、ほとんどが自らの本能を満たすための行為にすぎない。
亀のモンスターが猪に似たモンスターの血肉を求めたのも自らの本能、嗜好を満たすためで、亀のモンスターにとって猪に似たモンスターは好みの「オヤツ」みたいなものだった。毎年この時期になると何処からか現れる猪に似たモンスターが、自分の縄張りの近くにやって来たのを知って、いつ食べようかと楽しみにしていた時に「それら」は現れた。
陸の上で暮らしている、数は無数にいるが肉の量は少ない上に味も薄く、食べる価値もない
亀のモンスターよりも巨大な
猪に似たモンスターの血肉は確かに魅力的だ。しかしそれでも得体の知れない
そしてそれ以来亀のモンスターは
幸いにも
そう考えた亀のモンスターは、
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