新たな出会い
車窓から見える稲穂がゆらゆらと揺れている。この黄金色の穂が綺麗に刈り取られる頃、一体私はどこで何をしているだろうか。
私は花凛さんからもらった十万円とわずかな衣服をボストンバッグに詰め込んで、新幹線に乗り込んだ。目的はあの家族に見つからないように、隠れながら生きるため。
平日の新幹線は空席が目立つ。高い金を払い、指定席にしてしまった悔やまれる。隣の席も空席で、しばらく走っても座ってくる客の姿はなかった。
未だに家族は私を探しているのだろうか。愛のない家族は一体何を求めて私を探しているのか。考えても答えは出ない。
田園風景がいきなり暗転する。このトンネルを抜けた先に、知らない風景がまた広がっている。普通であればその景色が見られる事に期待を抱くのかもしれない。けれど、そんな期待は無駄だ。これから私は一人で痛みを背負いながら、生きていくのだから。
経由する大きな駅に到着すると、ホームを行き交う人の波が見えた。慌ただしく動いている、一人一人が日々何かに追われながら生きている。その波の余波が新幹線にも流れ込む。ここで私は自由席を買わなかった自分を一転して褒め称える。
「隣、失礼します」
私はその声に動転しながらも、首を縦に振った。軽く会釈をしながら二十代前半と思わしき、金髪の男は座った。彼は都会に行くとは思えないほどの軽装だった。持ち物は黒いクラッチバッグ一つ。ただそれだけ。そこから文庫本とイヤホンを取り出し、周りの雑踏をシャットアウトした。私はその男になるべく目を向けずに行き交う人の群れを眺めた。
都会に近づくと、田園風景から高層ビルが埋め尽くされた景色に変わっていく。その姿はまさに無機質そのもので、闇に吸い込まれていくような錯覚を覚えていた。
終点に着くと周りの人たちは足早に新幹線を降りていった。隣の金髪も乗る時はゆっくりとしていたのに、降りる時は早かった。初めて新幹線に乗った私は余韻を楽しみたかったのだが、そうもいられないようだ。都会を流れていく時間は早い。
駅構内は迷ってしまうほど広く、複雑だった。声をかけた駅員に優しく導かれるようにして私は改札を抜ける。外は銀色のビルが天高くそびえていた。
歩いて目的地を目指そうと思っていたが、目印になるものが全くといっていいほどない。どこもかしこも同じような風景ばかりが広がっていた。
私は仕方なくタクシーを使う。行き先を告げると、運転手は少しだけ不安な顔をした。
「お嬢ちゃん、そこは繁華街だよ。なんの用があるの?」
幼い顔立ちでまた後悔する事になった。私は昔から年齢より若く見られるケースが多い。父は老け顔だったのでこの遺伝子は顔を知らない母親のものだろう。
今までこの幼い顔立ちを悔やんだ経験はなかったが、花凛さんの店に警察が押し入る原因を作ってしまった時に初めて後悔した。
私が大人びた顔をしていれば、花凛さんに多大な迷惑をかけずに済んだかもしれない。
「知り合いがお店にいるんです。渡したいものがあるだけなので」
運転手は首を傾げたものの、それからは何も言わず、発車させた。
駅から二十分ほどで目的の繁華街に着いた。私はまだ不安な色が残る運転手に初めて触る一万円札を出し、タクシーを降りた。
夜は煌びやかな電飾を灯すであろう、ゲートは古ぼけていた。ゲートを潜ると昼の繁華街を歩く人はまばらで、活気がない。しかし路上で寝ている汚らしい方々は大勢いたので少しだけ恐怖に怯えた。
繁華街の途中にあるコンビニで地図を買う。このご時世、携帯があれば容易にどこでも地図を開けるが、私は残念ながら携帯を持っていない。
花凛さんの店へ行く時はうまく人を利用できたが、今回は使える人が見当たらない。原始的な方法を使うほかなかった。
地図を見ると、花凛さんの書いた住所と店名が一致する場所をすぐに見つけた。私は地図を頼りに歩いた。
店に着くと、ジャージ姿で銀色の髪の女性が玄関先を掃除していた。私はその人に恐る恐る近づいていく。
「あの、楓さんですか?」
箒で掃く動きを止め、女性が顔を上げる。眉毛が無く、目は切れ長。その顔立ちに雪のような白い肌。体の線も細い。拒食症の患者みたいだった。
「そうだよ。あんた誰?」
「花凛さんにここへ行けと言われて」
花凛さんの名前を出すと、彼女は目をさらに細めて笑った。
「ああ、聞いてるよ。まさかこんな若い子が来るなんてね。まあ店入りな」
七階建のビルを見上げると二階の店舗を示す看板にはローズマジックの文字が見えた。この店もスナックの類だろうか。そう思いながら、私は古びた階段を昇っていく。
店内はレッドルージュを彷彿とさせた。大きな赤いソファが各テーブルに置かれていることが要因かもしれない。時代遅れのミラーボールが怪しげに床を七色に染めている。
「名前は?」
私は言葉に詰まる。もう知らない土地では本名を使いたくなかった。嫌な思い出は消し去ったほうがいい。
「言いたくないならいいよ。なんて呼ぼうかな」
楓さんは頭を掻きながら、悩んだ。見た目は地方によくいる不良の過去を拭い去れない女のようだ。口調もぶっきらぼうで怖かった。
「花凛のところから来たから、逆にして凛花でどうだい?」
凛花。初めて聞いたとは思えないほどしっくりくる名前だった。それよりも花凛さんの一部を受け継いでいる気がしたことが一番嬉しかった。私は二つ返事でその名前を名乗ることにした。
「じゃあ凛花。さっそくだけど稼いでもらうよ。部屋と制服、それと化粧道具だけは提供してあげるから。後のことは勘弁してね」
私は少々面食らってしまった。制服と化粧道具。その言葉を聞いた瞬間に客の相手をすることが目に見えた。私は未成年だからお酒を飲むことはできない。一体どうやって相手をすればいいのだろう。
「え、何をすればいいんですか?」
「裏で酒作りな。客にはつかせないから大丈夫だよ」
楓さんはポケットから短くて太い煙草に火をつけた。香ばしい匂いが鼻の中を満たしていく。
「ここってどんなお店ですか?」
「キャバクラみたいなもんだよ」
「キャバクラって何ですか?」
楓さんは煙草の煙をもくもくと口から吐き出して噎せ返った。苦しそうにしながらもその顔は笑っている。
「花凛のとこにいたのにキャバクラも知らないのかい?」
噎せながら豪快に笑う楓さんを少し心配した。背中をさすってあげようかとも思ったが、触るなと言われそうで、できなかった。
「すみません」
「いや、いいんだよ。簡単に言えば、男どもの相手をしてあげるのさ。愚痴を聞いてあげたり、一緒に酒を飲んであげたりね。でも凛花はまだ未成年みたいだし、酒も飲めないから裏で仕事してくれればいいよ」
「わかりました。でも何で衣装と化粧が必要なんですか?」
楓さんは短く呼吸をして、息を整えた後に言った。
「料理と酒は凛花が運ぶんだ。ウェイターの役割もこなしてもらう。その時にすっぴんで行ったら若いことがバレるだろ?まあ厚化粧したところであまり変わらないかもしれないけどやらないよりはましさ」
私は納得した。確かにしないよりはした方が大人っぽく見える。以前花凛さんのお店にいた時は化粧をせずに店頭に立っていたため警察が来たのかもしれない。
「わかりました」
「じゃあ早速化粧して、制服に着替えようか」
楓さんはまだ吸えそうな煙草を灰皿に押し付けて強引に火種を消した。その後すぐに立ち上がり、店の奥にある部屋へと歩き出す。
「早くおいで」
私は小走りで楓さんの後を追った。
楓さんが開いたドアの向こうには十畳ほどの和室があった。そこに派手な化粧の女性が二人、煙草をふかして談笑していた。
「調理場担当してもらう新入りが来たよ。ここで寝泊まりするから、仲良くしてやって」
二人は目を細めながら私の顔をじっくりと眺める。
「なんかすごい若い子だね」
鼻の大きな女性が私の顔から目を離さずに言った。そのタイミングと同時に楓さんが私の背中を叩く。自己紹介をしろという意味かと思い、私は背筋を伸ばした。
「今日からお世話になる凛花と言います。何もわかりませんがよろしくお願いします」
私が深々と頭を下げると、彼女たちは爆笑した。
「堅苦しいなあ。もっと楽に構えていいんだよ」
目力のある女性が私の肩を優しく揉んだ。
「とりあえず人前に出るから、あんたたちが化粧を教えてやって。じゃあよろしく頼むよ」
楓さんは軽く手を上げて和室から出ていった。気まずい雰囲気が私の周りだけに流れている。
「ママは全部放り投げるんだもんなあ。まあ座りなよ」
私は促されるまま和室の薄い座布団に腰を下ろし、しばらくの間二人と会話をした。その優しい対応に私は安堵する。
鼻の大きさが目立つ女性は優美という名前で、目力のある人は忍という名前。二人とも源氏名という偽名を使っているらしい。私には源氏名という響きがかっこよくて、同じような源氏名を使っていると思うと少し誇らしくなった。
しばらく話をした後に優美さんが私に化粧をしてくれた。どちらかといえば忍さんの方が不自然な顔立ちをしているため化粧が上手いのだろうなと思っていたが、そうではないようだ。
優美さんに言わせれば忍さんの顔は汚い化粧を施しているらしい。そのことで二人は小競り合いをしてしまい、初めての化粧はかなりの時間を要した。
「優美さんは何で優美って名前をつけたんですか?」
化粧をしている最中、忍さんが買い物に出かけていっても和室の雰囲気が悪かった。会話もない空間に居づらさを感じていた私は、素朴な疑問を投げかけた。
「ああ、これは楓さんからつけてもらったの。桜の花言葉なんだって」
「桜の花言葉?」
「そう。桜は優美な女性って意味を持ってるんだって。そうなってほしいと思ったんじゃない?」
「なんで桜なんですか?」
「私の本名が桜の品種みたいだからだって言ってたよ」
源氏名にも歴とした理由があることを知る。源氏名はお店の中での本名である。親が子供の名前にしっかりとした理由をつけるように、それなりの意味があって当然なのかもしれない。
そう思うと凛花という名前は少しだけ軽い感じでつけられた気がした。嬉しいことに変わりはないが。
「ほら、目開けていいよ」
目の前の鏡に映る顔はもはや別人だった。目鼻立ちがくっきりとして、唇は潤いを持ってぽってりとしている。まるで映画に出てくる美人女優だと勘違いしてしまった。
「凛花は化粧映えする顔だね。将来美人になるよ。まあ私の化粧が上手いからってのもあるけどね」
優美さんは大きな鼻をふんと鳴らして、自慢げにしていた。その姿を見て忍さんは怪訝そうな顔をしている。
「そうですかね。でもこんなに顔が変わるなんて思わなかったです」
「今の化粧道具は進歩してるからね。もう整形と変わらないよ」
優美さんは一つの雑誌を見せてくれた。派手な金髪の女性が舌を出してピースしている表紙。顔は白く見えるのに、目の周りは真っ黒に染められているアンバランスさが気になったが、街を歩いていれば男に必ず声をかけられそうなほど美人に見えた。
その雑誌にはキャバ嬢の化粧術というコーナーが設けられており、そこでは現役のキャバ嬢が素顔から顔を作る工程が描かれていた。素顔の素材はお世辞にもいいとはいえない。目は細く、鼻の穴は広がっている。眉毛も楓さんのように何処かへ落としてきているようだ。
しかしその素材の悪さがだんだんと修正されていく。アイラインを引いた目は横に大きく広がり、アイプチを施すと綺麗な二重が描かれ、大きさが二倍ほどになる。まつ毛は黒い粉のようなものをつけて長くし、最後に変な器具で上にあげる。また目が大きくなった。
鼻筋は優美さんが使っていた先のふわふわしている棒で陰影をつけていた。最初は顔に落書きをしているみたいで滑稽だったが、化粧が進んでいくとその鼻筋はとても整い、高く見えた。
最後に白粉のような粉を顔にまぶし、頬を赤く染めて顔が完成した。こんな人と付き合った男性は素顔を見たときに、きっと騙されたと嘆くはずだ。それでも、別人になれるほどの化粧術は私の気持ちを高揚させた。整形をしなくても、顔立ちを変えることができる。一生あいつらから逃げ回れるかもしれない。そう思うと、自然と笑みがこぼれるのだった。
化粧を終えた顔で私は楓さんのいる店内へ戻った。しかしそこに楓さんの姿はない。買い物にでも行ったのだろうかと思い、私が和室に戻ろうとした時だった。
「化粧できたかい?」
トイレの方から楓さんの声が聞こえた。私がそちらの方向を見ると、先ほどとは全く違う姿の楓さんがいた。眉毛はきっちり生えているように見えるし、目は切れ長でキツネのようだが、色気がある。田舎の不良はもうそこにいなかった。妖艶なオーラを纏った、不思議な美人がそこに立っていた。
「うまくできてるじゃないか。高校生よりも年上には見えるよ。誰にしてもらったんだい?」
もう楓さんと話している気分ではない。テレビに出ている女優と対話しているようだ。
「優美さんにしてもらいました」
「あいつの化粧でもこんなに変わるのか。素材がいい証拠なのかもね」
楓さんは私の頬を両手で持ち上げて、優美さんと同じような台詞を吐いた。首筋からベリーの香りがする。花凛さんも綺麗だったが、あの柔らかい雰囲気とは全く違う。童話に出て来る魔女みたいに性格が悪そうな顔。だが、圧倒的な艶がある。それが大人の色気を感じさせる。
「今度は私が化粧してあげるよ。別の顔も見てみたいだろ?」
楓さんの笑顔につられて、私も笑顔で頷いた。色々な顔に変わることができる。毎日違う雰囲気を纏うことに私は興味を抱いた。
翌日楓さんは私に化粧を施してくれた。その化粧は上品な顔立ちに仕上がるものだった。楓さんのような魔女になることはなかったが、少しだけ私の顔も妖艶に見えた。
「眉毛はアーチを描くように書くといい。顔が温和に見えるからね」
そういう楓さんの眉毛は強気に上を向いていた。端の方だけが少し落ちる程度。楓さんにとってはこれが適切なアーチなのかもしれない。
「凛花は一重だけど目が丸くて大きいから羨ましいよ。黒目も大きいし、嫉妬しちゃうね」
楓さんが羨ましそうに呟いた。楓さんの目は私とタイプが違う。だがその大人っぽい目元にいつの間にか憧れを抱いていた。
化粧をすれば自分を着飾れる。外見の違う自分がここで一日を生きている。それが少しだけ家族の存在を忘れさせた。そして化粧によって、もう迷惑をかける心配がないと思うと楽になれた。
化粧が終わった後、楓さんと料理を作る事になった。
「凛花がやるのは、私の調理の手伝いだ。簡単なおつまみとかは作れるようになってもらうからね」
凛花さんはそう言うと調理場にある黄ばんだノートを見せてくれた。そこにはおつまみの作り方が記されていた。
さらに、花凛さんの作ってくれた梅おにぎりに似た味付けを連想させるレシピを発見する。
「この梅おにぎりの作り方って、花凛さんに教えましたか?」
「ああ、花凛もこの店では凛花と同じようなポジションだったからね。よく作ってたよ」
花凛さんが私と同じように働いていたとは。楓さんとの関係が明確にわかった。花凛さんは信頼できる人の元へ私を送ってくれたのだ。優しい花凛さんの対応に感動した。
楓さんのお店はおつまみの品数が少ない。居酒屋のように酒と料理を楽しむというよりか、女の子との交流を楽しむお店だからだろう。
「よく食べたんです。美味しかった」
「そのうち自分でも作れるようになるよ」
きっと私が作っても花凛さんのおにぎりを再現はできない。花凛さんが作るから、あんなに美味しいのだ。でもあのレシピを真似て、同じような味を食べられるのは嬉しかった。
「まあ、最初のうちはこれを見ながら作りな。おつまみ以外のメニューは私が作るから、手伝ってくれればいいよ」
そういうと楓さんは早速調理を進める。私も何かしなければお思い、意味もなく動き始める。
「私がこれをしてと言ってから動いていいよ。料理している間にチョロチョロされても困るからね」
楓さんは鼻で笑いながら、豚肉の塊を大きめに切って片栗粉をまぶしていた。私はすることもないので、その調理風景を見る。
「鍋を洗ってくれる?」
私は言われるままに鍋を洗って、コンロに置く。
「準備できたら、お米を研いでくれ」
私は研ぎ方もわからなかったので、楓さんに聞いて米を研いた。温室育ちだねと楓さんは私を笑った。
「お米の研ぎ汁をお鍋に入れてくれる?」
私は慎重に米の研ぎ汁を鍋に入れる。そしてその中に豚肉を入れて、火をつけた。
「これは何を作っているんですか?」
「お通しの角煮だよ。人気があってね、月に一回くらいは作るようにしてるんだ」
角煮。私にとって角煮は高級なイメージのある料理だった。外でご飯を食べる機会のなかった我が家では、角煮の存在は伝説の生き物みたいになっている。
生まれて一度も食べたことのない料理のため、この過程を終えた後にどんな料理が出てくるか想像できない。
「完成したら少しだけ味見させてあげるよ」
私はその言葉に期待して、角煮ができるまでの長い時間を手伝いながら待っていた。
私の前に置かれたふた切れの豚肉は茶色く色付き、仄かに生姜の匂いを醸していた。初めて嗅ぐ匂い。それは美味しいことを確信させる匂いだった。
一切れ口に含むと、甘みと塩気のバランスが絶妙に保たれた風味がいっぱいに広がる。食感の残る豚肉は食べ応えのあるものだった。ご飯が欲しくなる味とはまさにこれだろう。
「どうだい?」
「美味しいです」
「ならよかった。いずれ作れるようになるよ」
今までの調理過程を見て、本当に作れるのかと不安になった。たくさんの調味料に、たくさんの工程。それを覚えるだけでも一苦労だ。
「本当ですか?」
「ああ、私も作れるようになるまでだいぶ時間がかかったんだから」
楓さんは角煮に煮汁を掛けながら、優しく笑った。楓さんよりも、作れるようになるまでは時間がかかるかもしれない。それでも、これを覚えたら、楓さんの負担も減るし、私ももっと頼ってもらえる。お金を稼ぐのだから、それくらいしなくてはならない。
化粧の技術と美味しい料理に感動した私は必死になって裏方の仕事に励んだ。注文されたお酒を作り、楓さんの作る料理の手伝いをしながら、休むことなく働いた。あの子に示しがつくように。身勝手な私が命を奪ってしまったあの子にちゃんとしている姿を見せるために。
悪戦苦闘し、何度も間違いを冒した。それでもローズマジックの皆は叱ることなく私を助けてくれた。
必死に働いている間、警察もかつての嫌いだった家族の面々も店に訪れはしなかった。何事もない、平穏な時間をローズマジックで過ごしていた。
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