Re:息子へへの応援コメント
障碍者が頑張っていて、健常者が勇気づけられるというのは
おかしなものです。
お前らを勇気づけるためにガンバってるんじゃねえよと言われそう。
でもやはり、求めてはいけないけれど、頑張っている人を見るというのは
よいものです。
障碍のあるなしは関係ありませんね。
とかいいながら、わたくしは頑張りたくないという、
どうも自分勝手でごめんなさいとしか言いようがありません。
隅で小さくなっていることにします。
作者からの返信
実際のところは、プレイヤーは自身のために努力をしていますからね。
でも、応援者自身が活力を得られるのも事実です。
努力は強制させるものではありません。
お読みいただき、ありがとうございました。
Re:息子へへの応援コメント
【評価されるべき作品に、感想爆弾を投下します】企画に参加いただきありがとうございます!
感想爆弾を投下しに参りました。心の準備はいいですか?
まず、手紙形式の文体に目を引かれました(もしかしたら、【Re:息子へ】なので手紙ではなくメールなのかもしれませんが)。探せば無くはないですが(僕も過去に書きました)、珍しいと思います。書いているうちに、自分の心境を一人語りするような一人称に寄ってしまいそうですが、本作は終始相手に向けて語りかける書き方が維持されていたように思います。実在しそうなほどリアルな手紙(or メール)の文面でした。
生まれてきた息子に欠損がある……【神様は本当にいるのかな】という自問はよくあるものですが、そこから【もしいるんだとしたら、翌朝の朝刊が神様のくれた答えだったのかもしれない】と小説の導入に繋げて使われているのを見て、前のめりになって読む気が湧きました。
スポーツに疎く、ジム・アボットを知らなかったのでwiki先生に頼りました。短い記事でしたが、彼が努力によってプロへの道を切り拓いたことは十分に伝わってきました。
芝中さんのプロフィールとTwitterアカウントにお邪魔しました。芝中さんはご自身で野球をされていますが、作中の息子はやり投げに転向します。文中にやり投げに関わる記述が登場するわけですが、作中ではごく自然に語られていました。例えばフィギュアスケーター(シングル)で三十代まで続ける選手は少ないのですが、やり投げはそうではない。【キャリアがものを言う競技】だと。また、やり投げは個人競技でありながら、バックアップする人達を含めてチームなのだと。実体験を思わせるほど説得力があって、書くにあたって入念に下調べされたのではないかと思いました(いや、もしかしてやり投げも経験者とか……?)。小説はフィクションですが、記述が正確であることは読者に対して誠実であることだと思うので、とても好感が持てました。芝中さんは、とても誠実で実直な方なのでしょう。
もちろん野球についての記述も詳しく書かれていて……選手名は、野茂英雄・古田敦也は聞いたことがあります(笑) そういえば、小川洋子著「博士の愛した数式」には江夏豊の名前が登場しました。プロ野球は日本においてあまりにもメジャースポーツですから、小説に野球選手名が登場させるだけで年代を表わすことができそうです。本作でも、アボットの名前だけでは戦前の人なのか最近の人なのか(少なくとも僕は)分からないところをフォローするように、日本の選手名が挙げられていたので、なんとなく絞れました。少なくとも白黒テレビの時代ではない(笑) 【一九九三年九月五日】+【翌朝の朝刊】、【ソウル五輪】と、年代を言い表す語句はありましたが、選手名だけでも年代の情報になり得るのは発見でした。
息子をどう育てればいいのか思い悩んだ父にとって、アボットの存在が天啓となった。野球部を辞めて部活をどうしようかと思い悩んだ息子にとって、やり投げの存在が天啓となった。どちらも、どうしたらよいのかと立ち止まってしまったときに道を示してくれたものでした。父と息子それぞれの語りの中で【天啓】として触れられていた作りが素晴らしかったです。
【If they can do it, I can do it too.】……良い言葉ですね。同時に、耳に痛い言葉でもあります(笑)
……というわけで、考察らしい考察は語れなかったのですが、本作から味わえたことは文字に残せたかなと思います。あまり考察する余地は無かったかなという感じです。本作が語るべきことをきっちり語りきっているので、ここに僕が何か付け足すのはこじつけにしかならない気がします。読後感が気持ちの良い作品でした。感想爆弾という割には短文な気もしますがご容赦ください。
参加要項にもあるとおり、返信でいろいろ聞かせていただけると幸いです!
作者からの返信
感想爆弾、ありがとうございます。
こうした形式の小説は「書簡体小説」と呼ばれ、古くからあるジャンルです。
珍しいですかね? web小説ではあまりないかもしれませんね。
小川洋子さんも堀江敏幸さんとの共著で「あとは切手を、一枚貼るだけ」という書簡体の小説を書いていらっしゃいます。
カクヨム2020夏物語に応募するにあたり、審査員の額賀澪さんのことを意識しました。スポーツ小説をよく書いていて、陸上と野球が好き。選手への取材なども行っている。
なら、リアルなアスリートを描けば共感を得られるんじゃないか?
僕は野球独立リーグの記事を書いていた経緯があり、選手や監督、コーチへのインタビューからアスリートの機微というものに多少触れていました。応援を通じて、選手たちと日々言葉を交わしています。
その経験を活かして、血肉の通ったアスリートの思惟を形にしてみよう。
そうした考えから書き出したのがこの作品です。
手紙の形式を選んだのは、登場人物の思いをダイレクトに伝えることが出来、読者が感情移入しやすいからです。書き始めは手書きをイメージしていましたが、今の時代なら、そして父親の世代ならメールかなと思い直し、返信のタイトルでメール表現にしています。
実在しそうなほどリアルな文面と感想をいただけたのは狙い通りで、作者冥利に尽きます。
……でも、一次選考も突破できなかったんだよなあ。(爆)