41 最強 まさかの敗北

カムイはショックの余り転んでしまう。


(ん?)

不思議に思った。ここは、湖。だったはず。

煌めく湖で、転んだ。何故か?水面を見て、納得がいった。


(冷たい??・・)感じる冷気。

湖は凍っていた。


(こ・・これは??)

起き上がりながらキョロキョロするカムイ。

どうなっているのか、解らず慌てる。


「ガ・・!」

と聞こえるのは、巨人の声。

「えっ?」

見ると、巨人の周りも凍結している。湖は、一面が氷に覆われている。


「ガ・・」

動きが封じられている。


「ま・・まさかっ?!!」

急いでアリシャが居た場所へ向かう。


すると、氷の地面がぼんやりと、青く明るく光始める。それは氷の表面へとゆっくりと、上がってくる。


それは、紛うことなく、アリシャだった。

氷の中から、何の抵抗もなく浮き上がる。


「ア・・アリシャ!!?」

カムイは歓喜する。信じられない。気持ちは浮き上がったり沈んだり凄く忙しい。けど、とにかく、最高に嬉しい。


アリシャ氷の上に立つ。身体の表面には、

青い冷気が、キラキラ輝いている。

このせいでさっき、カムイが見た時、表情が、青く見えたよう。


「アリシャッ!」

まだかなり、距離が離れているが、喜ぶ。


「心配、お掛けしました」

笑顔で言う。


「グ・・ガ・・」

腕と身体の半分を、氷の湖に捕らえられ、

動けない巨人へ、ゆっくり近付くアリシャ。


「ガ・・ア!!」

肩だけが激しく動く巨人。

アリシャは、周りをゆっくりと歩きながら、左手をかざして、


「貴方は苦しんでいます」


「診せてください」

そう言いながら。頭部へと手を伸ばす。


「がア!!」

暴れる、が(ピタ)

と、止まる。アリシャの手が巨人の額へと、優しく触れた。

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